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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室26 血狂いの時間

出久「がはっ...!くそっ...!させない...フルカウル...!スマァァァァシュ!!!!!」

出久の一撃がマスキュラーの防御した腕の直撃する。しかし...

マスキュラー「なんだ...?それが個性かぁ?いい速さだが力が足りねえ!!!」

マスキュラーはもう片方の腕で、出久を殴り飛ばす。


マスキュラー「俺の個性は“筋肉増強”!!皮下に治んねえほどの筋繊維で底上げされる速さ!力ぁ!!!なあ!?何が言いたいかって!?

自慢だよ!!!

つまりお前は俺の完全な劣等型だ!!」

マスキュラーはさらに追撃を始める。出久は下がって防御することしかできずに、攻撃で転じられない。
マスキュラーは出久のみを狙っているため、時間は稼いでいるそう思っていた。

しかしマスキュラーの一撃で砂浜の砂が巻き上げられて、周りが見えなくなった。

マスキュラー「分かるか俺の気持ちがぁ!!!笑えて仕方がねえよ!!!」

出久「ごはぁ!!?!?」

出久は地面に叩きつけられた。

マスキュラー「助けるだっけ!?実現不可能なこと言ってんじゃねえよ!!自分に正直に、生きようぜぇぇぇ!!!!」


その時、マスキュラーの頭に、対先生用ナイフが当たった。

マスキュラー「あ?」




中村「あ、あんたさ......いい加減にしなよ....」

出久(中村さん!?...ウイルスで危険なのに...!)

奥田「中村さん!!だめです!!」

奥田が中村の元に来て、連れて行こうとする。すると中村と出久の目が合う。出久は直感で理解した。

逃げろと言っている事を...

中村「あんた達...ヴィランのせいで...毎日...どんだ...け、迷惑してると思ってんの...!」


マスキュラー「はぁ...他の奴らは知らねえけどよ?暴れてる時は俺は人間を殺したかっただけで、今まで邪魔してきたやつは俺を止めようとしてきた...お互いやりたいことをやっただけなんだよぉ」


意味不明な主張...しかし恐怖が膨れ上がっていく...


マスキュラー「教えてやるよ。そういう時に悪いのが誰かってなぁ...」

中村「っ...!!!」




マスキュラー「悪いのはなぁ!?出来もしねえ事をしようとしているお前らみたいな馬鹿なんだよ!!!!!!」

その時何かが飛び出す音が聞こえた。


マスキュラー「やっぱそうくるよなぁ!?ボロ雑巾!!!」

出久が飛び出してきて、左腕を筋繊維の間に挟んだ。

出久「捕まえたぞ!!これで速さは関係ない!!!」

マスキュラー「だからなんだぁ!?その力不足の腕で殴るのかぁ!?」


出久「どっからどう考えてもお前が悪いじゃないかぁ!」


マスキュラーが左腕で出久を殴ろうと構える。


出久「さっき言ったよなぁ!!実現不可能なこと言うなって!!!実現させるんだよ!ヒーローは!!!!


できるできないは関係ない!!!命を賭して!!!ヒーローは、そういう綺麗事を実践するもんなんだよ!!!!」


出久の身体中に赤い血管のような光が流れる。それが右腕に集中していく。

マスキュラー(何だ!?さっきまでと様子が!?)


出久(OFA...100%!!!!)


その力の放出で上着が破れていく。



出久「スマァァァァシュゥゥゥッッッ!!!!!!!!」


本気の一撃で砂浜で爆風が...中村と奥田が吹き飛ばされるが、出久は残った左腕と身体でなんとか下敷きになるように2人を庇った。


奥田「あ、ありがとうございます、緑谷く...!?その腕!?」

出久「だい...じょうぶ...!さあ、早く避難を...!」

その時砂浜から立ち上がる大きな影が...



出久「なっ...!?嘘だろ...!?」

マスキュラーは多くの筋繊維を纏って、先ほどの一撃を防いだのだ...

マスキュラー「テレフォンパンチだなぁ。しかしやるな緑谷...」


出久「(100%だぞ!?オールマイトの力だぞ!?どうする!!どうすればいい!!)く、来るな!!!」

マスキュラー「やだよ、行くね、俄然。俺はな暴れてえだけだ、個性使って羽伸ばせればなんでもいいんだ」

出久はマスキュラーから発せられる殺気が上がっていくことに気づいた。

出久「早く逃げて!!走れ!!!」

奥田は出久の必死さを感じて、中村と共に逃げ始める。

倉橋「...緑谷君も...!!」


出久「なんでまだ逃げていないんだ!!!僕のことは良いから逃げろ!!!!」

杉野「お前を...置いてなんて...」


出久「僕のことなんか放って、みんな逃げてくれ!!頼むから!!!」


マスキュラー「いいねぇ。気に入ったぜ、まずは緑谷...お前の血をもっとガキどもに見せてからアイツらを殺すことにしよう...

それと覚えているか?

さっきまでのは遊びだ。俺言ってたよなぁ!?

遊ぼうって、なあ!?!?

言ってたんだよ!!」

マスキュラーは自身のポケットを弄る。そこから何個もの義眼が落ちる。そして、その中の一つを掴んだ。

赤黒い義眼をつける。


マスキュラー「止めるよ。遊びはおしまいだ。だってお前は強いもん...こっからは...

本気の目だ...!!!」

すると今度は顔以外に筋繊維を纏って、出久に襲いかかった。スピードとパワーは跳ね上がっていた...出久はなんとかギリギリで避けた。

出久「嘘だろ...!?本当に遊び感覚で殺す気だったのか...!!」

マスキュラー「どうしたぁ!?動きが鈍いぞぉ!!!」

出久「っっ!!(足元が砂だから上手く...!)」

マスキュラーが再び向かってきた。負けてはいけない...屈してはいけない...出久は左腕にOFAを纏わせた。

出久「100%!!デトロイト...スマァァァァシュ!!!」

マスキュラー「まだテレフォンパンチ撃てたんだなぁ!!でも弱えぞ!!」

マスキュラーに力負けした出久が後ろに吹き飛ばされる。

出久「がはっ...!?ぐぅぅ...!!」

マスキュラー「その程度か緑谷ぁぁ!!!」

吹き飛ばされている出久に追いつきさらに殴る。蹴る。出久の身体からミシミシと音が聞こえる。

マスキュラー「おいおい、どうした?随分下手な戦い方だな?」


本気の殺し合いの実践はこれが初めてである。その初めての戦いで、守りながら戦うということで、ハードルはさらに高くなる。


出久は両腕が折れてしまったが、まだ諦めずに個性を解かない。折れた右腕に力を込める。

出久「うぉぉぉぉ!!!!スマァァァァァァァァァシュゥゥ!!!!!」

マスキュラー「緑谷ぁぁぁ!!!!!」

2人が激突する。マスキュラーは筋繊維で厚い壁を作りながら出久を潰そうとする。

出久「...ぐぁ...!っっっ!!!」

それを必死に耐える出久...しかし...地面は砂...足場が安定しないまま、マスキュラーの攻撃による風圧で地面が変形して、出久の体勢が崩れた。





“ベキべキィ!!!!!”

崩れたところを狙われて、出久の足に攻撃が...


出久「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!!!???!!??」



マスキュラー「はははっ!!!!両足折れちまったなぁ!!!」

出久は右腕で既に2回の100%を撃っている...四肢が折れて地を背中にして動けなくなった...

出久「ぐぁぁぁ...!!」


マスキュラー「名残惜しいがこれで終わろうぜ!!今まで1番の血ぃ!!見せてくれよ!!!」

出久「がはっ...!っぅぅう!!(OFA...100%!!!!)デト...ロイトォ......」

まだ一回しか撃っていない左腕を倒れながら振り向こうとする。



マスキュラー「潰れろ緑谷!!!!」

出久「スマッシュゥゥッ!!!!」


ぶつかったことで発生している衝撃波が辺りのものを吹き飛ばす。

マスキュラー「ぜんっぜん!力が入ってねえ!今までのパンチの中で最低レベルだぞ!!!」

今の出久は腰を引くことも、立つこともできない。寝ながら腕を振り抜いているのだ。力が入るわけない。それでも命を賭けて力を出そうとする...

原「血があんなに流れて...!?」

前原「や、やめてくれぇ...!」

村松「死んじまうよ...!」

狭間「でも...私達には何も...できない...!」


先ほどから離れて場所で見ることしかできない生徒...全員が出久の傷付き、痛めつけられいる姿に涙を流している。


神崎「お願い......逃げてぇ!!」

ウイルスで苦しみながらも声を張って出久に叫んだ。その言葉が出久に聞こえた。


出久「だい...丈夫...だからぁ...!逃げて...!行くんだ...行けぇぇぇ!!!」

更に力を込める。マスキュラーの攻撃による体重をこの体勢で受け止めているため、身体中から嫌な音が聞こえる...


マスキュラー「このガキがぁ......てめぇ!!さいっこうじゃねえかぁぁぁ!!!!」


出久「うる...せぇぇぇぇ!!!」

しかし無情にも押されていく...痛みに、自分の弱さに涙を流しながら出久は耐える...


出久「(ごめんみんな...!ごめん殺せんせー...!ごめんお母さん...!オールマイト...!オールマイト...!)ぐぅううああああああ!!!!!」



マスキュラー「じゃあな緑谷ぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

“ドッゴォォォォォォン!!!!!”


マスキュラーの一撃が出久を飲み込んだ...

その攻撃で爆発のような響き、大きな砂煙が発生した。患者組はその暴風により飛ばされないように必死になっていた。




ようやくマスキュラーの攻撃による暴風が収まった。マスキュラーは個性を解いて、奥田達の方を見る。

マスキュラー「楽しかったぜ。さて、余り物の血を見ることにするか...ん?」

マスキュラーが出久に背を向けて、奥田達の方に歩き始めると、海辺にヘリコプターが来て、数人降りてきた。


殺せんせー達だ。


マスキュラー「ああ?何だお前ら?」


こうして鷹岡を倒したメンバーが戻り、最悪のタイミングでE組が揃った...


マスキュラー「何だお前ら、あのガキどもの友達って感じか?」

烏間「血狂いマスキュラー...!?鷹岡のやつ...!」

磯貝「み、みんなは...無事だ...っぅ!?」

確かにホテル組は無事だ...しかし泣いている。そして1人いないことに全員気づいた。

渚「み、どりや...くん...は...?」


マスキュラー「おお、緑谷か。ほらここにいるだろ?」

マスキュラーが少し前に出て地面を指差した。

そこには血溜まりの中に横たわっている何かが...両足は変色して、それ以上に両腕の色が紫よりも...黒に近い色に染まって、身体中から血が垂れ流れていた...

殺せんせー「っ...!?緑谷君...!?」

血だらけの出久を見て、鷹岡討伐メンバーは顔面が蒼白になる。あの殺せんせーでさえ、この状況を受け入れられていない...

マスキュラー「いやぁ、強かったぜ?折れた腕でテレフォンパンチだが、何度も向かってきてよぉ?足が折れて動けないのに撃ってくるんだぜ?さいっこうだった...この目見てくれよ。これ本気の時に使う義眼なんだよ。遊びやめて本気でやったんだ」


岡野「み、みど...みどり、やぁ......嘘...いや......ぁぁぁ......」

何人かの生徒が泣き崩れる。特に出久に特別な感情を抱いていた者が...

マスキュラー「んじゃま、あいつら殺したら今度はお前ら殺すから」

烏間「貴様ぁ!!!」

マスキュラー「なんだよ?...何だその真っ黒な球体?めっちゃ睨んできてるじゃねえか」

マスキュラーが差したのは殺せんせーだ。殺せんせーは怒りで真っ黒に染まっている。


殺せんせー「それ以上私の生徒に手を出すな...この世から消すぞ...!!」

マスキュラー「やだね。俺は殺したいんだ。さぁ...!血ぃ...見せてもらうぞぉぉぉ



っ!?!?!?」

いきなり自分が大きなナイフで刺された映像が頭に流れた...それと同時に緑色の光が後ろから輝いているのが分かった。

出久「......ころ...させて...たまるか......」

殺気...ヒーローらしからぬものだが、守ろうと命を救おうとする殺気...

マスキュラー「折れた足で立ってやがる...!?っ!!さっさと死ねぇぇ!!」

マスキュラーは自身の直感で危険と感じ、個性を使い、出久へ拳を振るった。


出久(OFA...)

折れた右腕に赤い模様が現れる。


出久(1000000%...)


殺せんせー「っ!!いけない!!緑谷君!それ以上は!!!!」




出久「デラウェア・デトロイト!!!!スマァァァァァァァァァァァァシュゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!」


出久の腕が筋繊維で纏われた巨大な腕を貫いていく。そしてその一撃はマスキュラーの顔を捉えた。

マスキュラーはその一撃で、遠くへ、山頂のホテルの方にぶっ飛んでいった...


出久「......ごはっ!?」

出久の口から血が溢れて、ボタボタと砂を赤く染める...そして出久は倒れた...


寺坂「緑谷ぁ!!!」

動ける生徒、烏間はすぐに出久の元に向かった。

烏間「緑谷君!しっかりするんだ!!」


出久「......よか......った.........ぁ...ぁ............ぁ......」

出久の翡翠の目から光が消えて濁っていく...出久の呼吸音が無くなっていく...


殺せんせー「いけない!緑谷君!!!!」

出久はピクリとも動かなくなった...

烏間「...っ!?......心臓が......くそっ!!」

烏間がすぐに出久に心臓マッサージを始めた。


渚「うそだ......緑谷君...!緑谷君!!




死なないで!!!緑谷君!!!!」


 
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