暗殺教室 in Hero
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緑谷出久の暗殺教室17 テストの時間
期末試験当日...E組は本校舎の教室に向かっていた。そして教室に着くと...そこにはなんと律......の偽物がいた。
烏間「律役だ」
後ろに立っていた暗い顔の烏間先生が教えてくれた。
烏間「流石に理事長から人工知能の参加は許されなくてな...律が教えた替え玉を使うことで何とか決着した。交渉の時の理事長に”大変だなコイツも“という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが...君たちにわかるか」
出久・渚「頭が下がります!!」
烏間「...律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」
出久「...はい!」
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そしてチャイムが鳴り、最初の英語の時間が始まった。今回のテストは最初からレベルが上がっており、問題ではなく“問スター”と言える代物だった。
瀬尾「雑魚どもが...ラストの問題で殺られてやがる...だが俺は親の仕事でLAに1年いた!今更中学レベルでつまずくかよォ!!」
瀬尾の回答 △
瀬尾「倒れないっ!?嘘だろ...!?満点回答の見本だぞ...!?」
余程自分の回答に自信があったのか、△という結果に驚きを隠せない。しかしそこに颯爽と中村が現れ、
中村「お堅いねぇ、力抜こうぜ優等生!」
中村の回答 ◎
満点回答を叩き出した。
瀬尾「い、E組ごときが!?」
中村「多分読んでないっしょ?サリンジャーの”ライ麦畑でつかまえて“」
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殺せんせー「さすがは名門校...良い問題を作りますねぇ。問題文が名作小説から引用されている。生徒の読書量や、臨機応変さも採点基準に加える気でしょう。恐らくは、原文に準じた雑で簡潔な口語体で答えなけばならない...」
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渚の回答 ◎
出久の回答 ◎
渚「やった...!」
出久「ふぅ...」
瀬尾(しまった!その小説...英語の教師が授業中にさりげなく薦めてきやがった!!)
中村「外国で良い友達いなかったっしょ瀬尾クン。やたら熱心に本を薦めるタコとかさ」
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殺せんせー『先生こういう繊細な反逆に憧れましてねぇ。ぜひ二か国語で読んでください。君たちの年頃ならキュンキュン来るはずです。特に緑谷君はこういうのを読んで学びましょう』
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出久「って...なんで僕だけ...」
渚(背景にゲスイ思想があるような...)
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理科の時間
小山「そぉ〜れ〜!中高の理科は暗記で十分だぁー!!」
しかし問スターの装甲は外れずに逆に反撃を喰らってしまう。すると頭の装甲を外している問スターと問スターの方に乗っている奥田が仲良く話していた。
奥田「それでね〜」
問スター「わかる〜」
奥田「本当の理科は暗記だけじゃ楽しくないです。君が君である理由を知ってるよ、ってちゃんと言葉にして伝えて上げたら、この理科すっごく喜ぶんです」
すると全ての装甲を脱いで、きゃっきゃっウフフと走っていった...
出久「中身あんな感じなんだ...」
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社会の時間
荒木(し、しくじったぁ!!今年のアフリカ開発会議の首相の会談の回数なんて分かるかよぉ!?)
磯貝「ふー危なかった。一応覚えて正解だった...!」
荒木「磯貝っ!貴様ぁ!」
磯貝「たまたまだよ。俺ん家結構な貧乏でさ。アフリカの貧困にちょっと共感して調べてたら、実際に現地に連れてかれて、更に興味が広がっただけで...」
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国語の時間
神崎「春過ぎて 夏きるたらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山」
榊原「顔だけでなく言葉も美しい!男の趣味は悪いがな...」
神崎「...はい?」ジッ...
榊原「っ...だ、だが!ただ一片の会心の解答でテストの勝敗は決まらない!」
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数学の時間
学秀(数学か。E組には...赤羽がいたっけ。E組としては飛び抜けている。だが僕には、数学はもとより全教科死角は無い!だから、赤羽ではなく、危険なのは総合2位になった緑谷...奴は向上心が目立っていたからな...)
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去年の図書室...学秀が生徒会長の仕事として図書室に来ていた時のことだ。
誰よりも本を開いて集中して勉強していたやつを見つけた。それが緑谷だった。
この時の緑谷はD組から上がって、引子を安心させるために努力していた。
学秀(あれは今年転校してきた緑谷か......奴の目には強さを求めるものがあるな...)
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学秀(A組上がれたのに、わざわざE組に落ちるとはな...しかし奴はE組に落ちても変わらない様子だった...だが、結果として強者になれるチャンスを捨てたんだ...これで本当の強者の力を見せてやろう...!)
カルマ(あーあ...みんな、目の色変えちゃって...勝つってのはそういうんじゃないんだよね。通常運転でサラっと勝ってこその完全勝利...正しい勝ち方......こいつを生贄に、皆に教えてやるよ)
そして全てのテストが終わり、遂に結果発表の時だ。
殺せんせー「では発表します...まずは英語から!E組の1位...そして学年でも1位!!中村莉桜!!」
中村莉桜
英語 100点
学年 1位
一同「おおおお!!」
中村「どうよ〜♪」
早速E組が有利で全員のテンションが上がる。
中村「なんせ賞金百億かかってるからね〜。触手1本忘れないでよ?殺せんせー?」
殺せんせー「勿論です。渚君も健闘ですが、肝心なところでスペルミスを犯す癖が直ってませんね。緑谷君も見直しが甘かったですねぇ」
潮田渚
英語 91点
学年 7位
緑谷出久
英語 99点
学年 2位
出久「ぬぉぉ...」
中村「あーもったいない。もしかしたら2本いけたかもしれないのに」
出久「申し訳ないです...」
ちなみにA組の方では...
浅野学秀
英語 99点
学年 2位
瀬尾智也
英語 95点
学年 5位
殺せんせー「続いては国語!E組1位は...緑谷出久!
...がしかし!学年一位はA組浅野学秀!惜しかったですね。そして神崎さん大躍進です。充分ですよ」
浅野学秀
国語 100点
学年 1位
緑谷出久
国語 98点
学年 2位
神崎有希子
国語 96点
学年 3位
榊原蓮
国語94点
学年4位
出久「マジかぁ...」
杉野「やっぱ凄えな浅野のやつ。緑谷の点数でも十分すごいのに。五英傑なんて並べて呼ばれてるけどよ...結局は浅野1人。あいつを倒せなきゃ学年トップは取れねえよ」
殺せんせー「では続けて社会!E組1位は磯貝悠馬!!そして学年では...
おめでとう!!浅野君を抑えて学年1位!!」
磯貝「よっし!!!」
殺せんせー「緑谷君、これも惜しかったですねぇ。ですがこれだけ解けたんです。中間の時よりレベルは確実に上がってますよ」
磯貝悠馬
社会 97点
学年 1位
緑谷出久
社会 96点
学年 2位
浅野学秀
社会 95位
学年 3位
荒木鉄平
社会 93点
学年 4位
出久「アフリカの首相の会議の数は分からないよ...」
磯貝「あー、そこかぁ...」
不破「これで二勝一敗!」
菅谷「次は理科...奥田か!」
殺せんせー「理科のE組1位は奥田愛美、
そして緑谷出久の2人!!
......素晴らしい!!
学年一位も奥田愛美と緑谷出久!!!」
奥田愛美
理科 100点
学年 1位
緑谷出久
理科 100点
学年 1位
浅野学秀
理科 97点
学年 3位
小山夏彦
理科 95点
学年 4位
奥田「やった...!」
出久「っし!!」
殺せんせー「2人は先生の補講を頑張ってましたからね〜」
奥田「緑谷君、あの時誘ってくれてありがとうございます!」
出久「良いんだよ!やったね!奥田さんが教えてくれたおかげだよ!本当にありがとう!!」ニコッ!
奥田「へっ、あっ、は、はい!!」
2人はハイタッチをして喜んだ。
それをモヤっとした顔で見ているのが数人いたが...
不破「......あっ、こ、これで3勝1敗!!」
三村「数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定!」
前原「いい仕事したな!奥田!緑谷!触手1本ずつ、お前らのモンだ!」
木村「てことは賭けの賞品のあれもいただきだな!」
殺せんせー「そして最後...数学!E組1位は緑谷出久!...ですが惜しい!学年1位は浅野学秀!」
緑谷出久
数学 98点
学年 2位
浅野学秀
数学 100点
学年 1位
杉野「惜しかったな〜って、あれカルマは?」
カルマはいつの間にか教室からいなくなっていた。
殺せんせー「彼のことは後でこちらで...それにしても皆さん?まだ結果発表は終わってませんよ?」
片岡「...あっ、総合!」
殺せんせー「ええ...E組総合1位は緑谷出久!」
出久「っ!!」
殺せんせー「そして......
浅野君と並んで総合1位です!!!」
出久「っ!!!やったぁ!!!!」
緑谷出久
総合 491点
学年 1位
浅野学秀
総合 491点
学年 1位
総合でもE組が1位になったので全員は出久に拍手喝采である。
前原「浅野と同じでも1位は1位!!」
菅谷「緑谷1人で触手2本だ!!!」
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小山「3対2...!!負けるなんて、こんな屈辱あるか?」
瀬尾「ま、まあお前は片方の標的に勝てたんだからよ...」
小山「ふんっ!あいつ、勝手に自滅してんだ!勝負するまでも無いわ。あんな雑魚...それより緑谷だ!!あいつまた俺らより上に...!!」
榊原「ああ...まさか今度は浅野君と並ぶなんて...!」
瀬尾「E組に落ちてなんで...!?」
荒木「これは荒れるな...」
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その頃E組の旧校舎の外では...
カルマ「っっ...!」
赤羽業
数学 85点
学年 10位
総合 469点
学年 14位
カルマは自身のテスト用紙を握りしめて木に寄りかかっていた。
殺せんせー「流石にA組は強い。5教科総合のトップ層のほとんどに入ってました。総合は緑谷君の1位以外に竹林君と片岡さんの同点の8位が目立ちました。当然の結果です、A組の皆も負けず劣らず勉強をした。テストの難易度も上がっていた。怠け者がついていけるわけがない」
カルマ「何が言いたいの...」
殺せんせー「余裕で勝つ俺かっこいとか思ってたでしょ?...はずかしいですねぇ〜!」
なめた顔で殺せんせーは言い、その言葉にカルマは恥ずかしさで顔を真っ赤に染めた。
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學峯「総合1位おめでとう。と言いたいところだが、E組と何やら賭けていたようだね。そして負けた...これは全校に広まっているから掻き消すのは難しい...よくもあんな大層なことが言えたもんだね。同い年との賭けに負けた未熟者が......」
学秀「っぅ...!!!!」
學峯「それに1位と言っても...E組の1人と同レベルじゃないか...本当に未熟すぎるね...」
学秀「ぐっぅ...!!」
学秀は血管が浮き出るほどブチギレていたが、事実であるため言い返せなかった...
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殺せんせー「先生の触手を破壊する権利を得たのは、中村さん、磯貝君、奥田さん、緑谷君の4名。その中でも緑谷君は理科と総合で2本の権利を得ました。
暗殺においても、賭けにおいても、君は今回何の戦力にもなれなかった。分かりましたか?殺るべき時に殺るべき事を殺れない者は、この教室では存在感を無くして行く。
刃を研ぐのを怠った君は“暗殺者”じゃない。錆びた刃を自慢気に掲げた、ただの”ガキ“です」
カルマ「...チッ!」
烏間「...いいのかあそこまで言って」
殺せんせー「ご心配なく。立ち直りが早い方向に挫折させました。彼は多くの才能に恵まれている。だが力有る者はえてして未熟者です。本気でなくても勝ち続けてしまうために、本当の勝負を知らずに育つ危険がある...
大きな才能は、負ける悔しさを早めに知れば大きく伸びます。テストとは、勝敗の意味を、強弱の意味を、正しく教えるチャンスなのです」
殺せんせーはそう言うと、ゆっくりと歩き始め、青空に両手を広げた...
殺せんせー(成功と挫折を今一杯に吸い込みなさい生徒達よ!!
勝つとは何か。
負けるとは何か。
力の意味を…今!!
私が、最後まで気付けなかった、とても大事な事だから...)
教室に戻ってきた殺せんせーとカルマ。話は触手の破壊についての話題に。
殺せんせー「さて皆さん素晴らしい成績でした。5教科プラス総合の6つの中、皆さんが取れたトップは英語、社会、理科、総合の4つ。そのうち理科は2人がトップを取ったので破壊出来る触手は5本。ではトップの4人はご自由にどうぞ(ま。5本くらいなら失っても余裕でしょう...(6本は流石にヤバかったですが)」
すると寺坂組の4人が教壇の前まで歩いてきた。
寺坂「おい待てよタコ。5教科のトップは4人じゃねーぞ」
殺「?4人ですよ寺坂君。国、英、社、理、数、全て合わせて」
寺坂「はぁ?アホ抜かせ。5教科っつったら国、英、社、理...
あと家だろ」
寺坂竜馬
吉田大成
村松拓哉
狭間綺羅々
家庭科 100点
学年 1位
殺せんせー「か、家庭科ぁぁぁ!?!?」
寺坂「だーれもどの5教科とは言ってないよなぁ!?」
狭間「クックックッ...クラス全員でやれば良かった」
殺せんせー「か、家庭科なんて!!」
千葉「カルマ、言ってやれ」
カルマ「!...なんてって...失礼じゃね殺せんせー?5教科最強の家庭科さんに」
岡島「そうだぜ殺せんせー!」
菅谷「1番重要な家庭科さんで4人がトップを取った!」
倉橋「合計触手9本〜!」
殺せんせー「きゅ、9本んんん!?!?」
寺坂「ちげえよ、9本じゃねえ」
殺せんせー「へ?」
寺坂の言葉に殺せんせーだけでなく、寺坂組以外の生徒達も黙った。
寺坂「確かにクラス全員には言ってねえが、俺ら4人だけとも言ってねえぞ」
村松「キツかったな、重要だと思う部分をまとめたノートを作るって」
吉田「まあそのノートに書いていたところがテストでめっちゃ活かされて良かったぜ」
狭間「驚くのはここからだよ」
すると出久が立ち上がり、寺坂達の横に立った。
殺せんせー「あ、あの...み、緑谷く、ん?そ、そそそその手に持ってるか、紙って...」
出久「本当にきつかった...ノート本当に助かったよ。それと普段からお母さんの手伝いをしていたから基礎はできてて助かった......徹夜でしたよ...殺せんせー、確か触手1本で10%でしたよね...」
殺せんせー「冗談って言ってください...
冗談って言ってくださいお願いします!!!」
出久「残念ながら、E組の期末テストの結果は90%じゃなくて...
100%です!!!!」
緑谷出久
家庭科 100点
学年 1位
E組「10本だぁぁぁぁ!!!!!!」
殺せんせー「ほんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」
寺坂「でかした緑谷!!」
出久「うん!」
寺坂と出久は強めのハイタッチをした。
期末テストの結果、触手破壊の権利はなんと10本となったのであった...
磯貝「それと殺せんせー。これはみんなで相談したんですが、この暗殺にA組との賭けの戦利品も使わせてもらいます」
磯貝は一冊のパンフレットを出した。
殺せんせー「What?」
こうして終業式...ではなく、
殺せんせー「え?終業式前日に授業参観?」
烏間「ああ...自分の子供の成長を見せるためだとな。もう家の方に連絡がいっているそうだ」
前原「でも今回のE組ってA組に勝ったのにそんなことするんだな。恥かくだけじゃねえの?」
烏間「A組との賭けのことは親に話していないからな。それに、1学期のまとめということで、テストの成績ではなく、自分達の子供を見てほしいという建前だ」
菅谷「なんか卑怯だな...」
片岡「...多分これで少しでもマウントを取ろうとしてるんじゃないかな...」
親が授業参観に来られないのは、仕事だからという生徒ももちろんいる。
しかしE組に落ちたことで、親からの信頼を無くしてしまった者もいる。
前原「あー...そういう...俺ら自身が変わろうとしても、E組だからって決めつけて、周りはまだ認めてくれてないって思い知らせるためか...」
生徒達の顔が暗くなっていく...
殺せんせー「みなさん!そんな顔しないでください!当日は私が素晴らしい授業を」
烏間「授業参観で国家機密に堂々と授業をさせられるか!...と言いたいが...その日は俺も防衛省の方で仕事があるんだ...」
倉橋「えっ...じゃあどうするの?ビッチ先生は英語しかできないよ」
殺せんせー「ご心配なく!せんせーにいい考えがあります!!」
寺坂「でも来る親いるのかよ...」
それで再び黙ってしまう生徒...しかし1人だけは違った...
出久「あの...」
殺せんせー「どうしました?」
出久「今連絡あって、その授業参観に僕の母が行くと...」
出久以外「なにぃ!?!?」
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