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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室12 球技大会の時間

梅雨が明けて...もう外は晴天の日々が続いている。今日もどこかに寄って遊ぼうという話になっていた。

が...野球部である、進藤がE組を下に見て、“自分達は選ばれた人間”だと蔑んできたことがあった。

そして次の日に

球技大会でケリをつけたいという話になった。この椚ヶ丘では、E組の痴態を晒すために、エキシビジョンとして、トーナメントから外して野球部と戦わせるのだ。

女子の場合は女子バスケットボール部とだ。

杉野「勝ちたいんだ、殺せんせー。善戦だけじゃなくて勝ちたい、好きな野球で負けたくない。E組とチーム組んで勝ちたい!!」
 
気付けば殺せんせーは野球のユニフォームに着替え、触手には野球で使う道具一式をつけていた。
 
殺せんせー「先生、一度スポ根モノの熱血コーチをやってみたかったんです!最近の君達は、目的意識をはっきりと口に出すようになりました。殺りたい、勝ちたい、目標に対しても揺るがずに。その心意気に応えて殺監督が勝てる作戦とトレーニングを授けましょう!!」

寺坂組は晒し者になりたくないということで不参加となってしまった。ということで、それ以外の男子は校庭で野球を始めたのだが...


殺せんせー「殺ピッチャーは300kmの球を投げる!!!」

誰も打てない。

殺せんせー「殺内野手は、分身で鉄壁の防御を誇る!!」

余裕でアウトになる。

殺せんせー「殺キャッチャーは囁き戦術で集中力を掻き乱す!!」

例がこれだ。

殺せんせー「校舎裏でこっそりエアギター...ノリノリでしたね、三村君...」

三村は犠牲となった。


出久「......まだまだ...!!」

数日間殺せんせーの野球をしていた...

殺せんせー「次は対戦相手の研究です。この3日間、野球部の練習を竹林君に偵察してきてもらいました」
 
竹林「面倒でした」
 
竹林は球技大会の先発メンバーに入っていない。だが何もしないというわけでもなく偵察してきてくれた。録画した練習の映像がノートパソコンの画面に映し出された。
 
竹林「進藤の球速はMAX140.5km。持ち球はストレートとカーブのみ。練習試合も9割方ストレートでした」
 
杉野「あの剛速球なら、中学レベルじゃストレート1本で勝てちゃうのよ」
 
殺せんせー「そう。逆に言えば、ストレートさえ見極めれればこっちのもんです...というわけでここからの練習は、先生が進藤君と同じフォームと球種で、“進藤君と同じにとびきり遅く投げましょう”。さっきまでの先生の球を見た後では、彼の球など止まって見える」

こうして本番に向けて、特訓を続けた。

出久「殺せんせー、僕もう一回殺せんせーの球を打つ特訓をしたいです」

殺せんせー「にゅ?いつも通りいい向上心ですね!」

出久「あ、ありがとうございます。今回の野球の試合は杉野君の思いを聞いて、僕も勝ちたいと思いました。ですがこのままだとーーーーーーー」

殺せんせー「...そうですねぇ。いいでしょう!この殺監督の特訓に打ち勝ってみなさい!」

少し離れた場所では...

カルマ「...本当に頑張るんだから...」


そして別の少し離れた場所でも出久の練習を見ている人物が...






矢田「......緑谷君...誰よりもあんな真剣に......カッコいいかも...ううん。神崎ちゃんの時を考えれば...カッコいい...」


殺キャッチャー「最近気になる人とかできました?好きな子とか、ねえ。いないんですか?」

出久「い、いません「ストライク!」もぉぉぉぉ!!!!!!」

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フラグ③: 矢田桃花


そして球技大会本番...

進藤「学力と体力を兼ね備えたエリートだけが、選ばれた者として人の上に立てる。杉野、お前は選ばれざる者だ。
 
進藤の言葉に杉野は言い返さなかった。すると遠近法でボールに紛れている殺せんせーが、顔色と表情でサインを出していた。それを見た渚が、その意味を書いたメモ帳を取り出していた。
 
渚「殺す気で勝て...ってさ」

磯貝「俺らにはもっと大きいターゲットがいるんだ、ここで負けたら先生を殺せない」
 
杉野「ああ。よっしゃ、殺るか!!」

男子達「おー!!!」

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『おーっとE組木村!バント! ノーアウト一塁だぁーッ!!』
 
殺せんせー(中学の野球部ならバントの処理まで完璧とは言いませんねぇ)

E組の作戦は確実に塁を取るためのバント作戦。

読みは当たり、瞬足の木村が余裕で一塁を手に入れた。

2人目のバッターは渚。進藤は自身にまぐれだと言い聞かせて、全力投球。だがそれも見切られて
 
『プッシュバントだぁ!ノーアウト一塁二塁!?どうなっているんだぁぁ!?!?』

進藤「な、なに...!?」

3人目の磯貝も殺せんせーの投球に慣れたため、進藤のバントを冷静に打ち返して、ノーアウト満塁となった。

この異様な結果と作戦に進藤は

進藤(俺がやってるのは野球なのか...!?)

そして殺せんせーは4番バッターである杉野に新たなサインを送った。

杉野「(武力では敵わなくても、例え弱者でも狙いすました一刺しで、巨大な武力を仕留める事が)できる!!」

杉野は最初バントの構えをしたが、それは囮。投げたと同時に構え直してフルスイング。外野の奥まで行き、

E組が3点先取できたのだった...!


しかしその頃、野球部の監督席では、野球部顧問が泡を吹いて倒れており、その側には理事長である學峯が...一回表からラスボスの登場を意味していた...

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中村「いやー惜しかったね」

カエデ「ごめんね...足引っ張っちゃった...」

片岡「そんな事ないって」
中村「気にすんなって」
 
カエデ「女バスのぶるんぶるん揺れる胸を見たら...怒りと殺意で目の前が真っ赤に染まって...」
 
岡野「茅野っちのその巨乳に対する憎悪は何なの!?」

速水「さて...男子はどうなってるかな...」

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『今入った情報によりますと野球部顧問の寺井先生は試合前から重病で...野球部員も先生が心配で試合どころじゃなかったとの事。それを見かねた理事長先生が急遽指揮を執られるそうです!!』
 
それが嘘だとE組はすぐに理解しただが、それを言っても意味がない。そ野球部は守備に戻ったのだが、

その光景はどう見ても異常だった。
 
『こっ、これは何だー!?全員内野守備!!こんな前進守備は見た事がない!!』
 
菅谷「バントしか無いって見抜かれてるな...」
 
岡島「つってもダメだろあんな至近距離!」
 
竹林「ルール上ではフェアゾーンならどこも守っても自由だね。審判がダメだと判断すれば別だけど審判の先生はあっち側だ。期待できない」

5番の前原はその圧に押されて、バントを上げてしまい、アウト。次の岡島も殺せんせーに指示を仰いだが...

殺せんせー「...」

岡島(うつ手無しかよぉぉぉ!!!!)

そして岡島、千葉とアウトとなり、一回裏となった。その間は杉野のカーブなどでなんとか抑えることができた。

一方野球部では...

學峯「力でねじ伏せる...」

進藤「力でねじ伏せる...」

學峯「踏み潰す」

進藤「踏み潰す...!」

學峯による洗脳を受けていた。



しかし殺せんせーも作戦を持っていた。守備をしているカルマの足元から顔を出した殺せんせー。

カルマ「足元に出んなよ殺監督。踏んで欲しいの?」
 
殺せんせー「ヌルフフフ。次の打順は君からです。君の挑発で揺さぶってみましょう。君の揺さぶりの後に彼なら更なる揺さぶりをしてくれるでしょう。そしたら野球部の士気は大きく下がるでしょうねぇ」

カルマ「なるほど。俺の2つ後は...」

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荒木『さあ二回の表!!やはり鉄壁のバントシフト!!』
 
カルマ「...」
 
審判どうした、早く打席に入りなさい!」
 
カルマ「ねーえ、これズルくない理事長せんせー?これだけ邪魔な位置で守ってんのにさ審判の先生、何も注意しないの。お前等もおかしいと思わないの?あー、そっかお前等馬鹿だから守備位置とか理解してないんだね」

その言葉に野次馬はキレて、ただ反感を勝っただけだ。しかしこれでいいと殺せんせーは顔の○を表した。

カルマも打てずに、二回表のツーアウトになった時、

出久「よし...!行くぞ!!」

『さあ次のぎせ...バッターは緑谷だ!しかしこの鉄壁の防御を崩すのは不可能だぁぁ!』

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中村「おっ、緑谷だ」

片岡「この状況を打破してくれればいいけど...」

矢田「...緑谷君ならやってくれると思うよ!」

倉橋「頑張れ〜!」

神崎「緑谷君......」

速水「緑谷...」

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見逃しでツーストライクとなった。

岡島「あー緑谷でもダメか〜」

渚「でも緑谷君の目は殺る気だ...」

カルマ「渚君の言う通り。緑谷は杉野の宣言の時に誰よりも協力的だったからねぇ」

杉野「え?」

カルマ「緑谷さ...ーーー」

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進藤(上に立てる力を持っているはずなのにE組に落ちた憐れな奴...これでチェンジだ!!!)

進藤の今日1番の豪速球が出久を襲う。


出久「...(やっぱりどの球もほぼ同じコースで投げている...!)3回連続同じは簡単だ!!!」


“カキィィィィン!!!!!!”



進藤「...は?」


『ホ...ホーム...ラン......E組緑谷...進藤君の豪速球を打ちました...』


E組男子「.........よ、よっしゃぁぁぁ!!!!!!」

出久「ふぅ......やったぁ...」

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茅野「打ったぁ!!緑谷君打っちゃったよ!」

神崎「緑谷君...凄い......」

中村「...カッコいいよねぇ?」

神崎「うん......///」

中村(あーちょっかいかけても気づかないくらい夢中になってるじゃん)

速水「流石緑谷......!」

矢田「やっぱり打ったよ!」

岡野「野球部、凄い意気消沈してるじゃん!」

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そこから二回裏...三回表となって、4-1となった。出久はバッターだけでなく、守備の特訓もしていたため、なんとか1点で抑えることができた。

そして最後の三回裏...今度は野球部がバントのお手本を見せてやろうという感じでバント地獄が始まった。

しかしここでも

出久「うぉぉぉ!!!」

ダイビングキャッチなどを連発して、野球部のペースにさせないようにしている。

學峯(...煩わしい...だが...ここで)

『ここで迎えるバッターは我が校が誇るスーパースター進藤君だ!!3点差もついているため、ここで一気に逆転を決めてほしい!!』

殺せんせー「カルマ君、ここで先ほどの挑発を活かすときです!」

カルマ「了解〜」

ここで殺せんせーの指示が。カルマは磯貝に作戦を説明して、実行に移った。

カルマと磯貝が野球部よりも前で守備をしているのだ。

カルマ「明らかなバッターの集中を乱す位置で守ってるけどさっきそっちがやった時は審判は何も言わなかった。文句無いよね、理事長?」
 
理事長「ご自由に選ばれた者は守備位置ぐらいで心を乱さない」

そしてなんとバットを振れば当たってしまう場所まで進んだ。

進藤「...は?」

カルマ「打てよスーパースター...ボールは邪魔しないから」

理事長「フフ。くだらないハッタリだ。構わず振りなさい進藤君。骨を砕いても打撃妨害を取られるのはE組の方だ」
 
進藤「(マ、マジかよ!?舐めたマネしやがって...大きく振ってビビらせれば退くに決まってる!!)」
 
杉野がボールを投げて、大きく振った。二人はその場から全く動かず避けた。
 
理事長「(殆ど動かずに躱すとは...)」
 
殺せんせー「(2人の度胸と動体視力はE組の中でもトップクラス。バットを躱すだけならバントより簡単ですねぇ)」
 
カルマ「ダメだよそんな遅いスイングじゃ...今度は殺す気で振りなよ...」

もう進藤には學峯の言葉など消し飛んでいた。野球ではない異様な何かに恐怖を覚えていたのだ。最後は屁っ放り腰のスイングで、それをカルマがキャッチャーの渚に。それを三塁の木村に。最後に一塁の菅谷に回した。


トリプルプレーによってE組の勝利が決まった。

しかしこれはただの勝利ではない。一度も長い時間相手を有利にさせず、最初から最後までアサシンとターゲットの関係のままだったのだ。暗殺者としての勝利でもあった。



杉野「サンキューな緑谷、カルマから聞いたぞ」

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出久『僕も勝ちたいと思いました。ですがこのままだと経験者の杉野君に頼ってばかりになる試合になると思うんです!みんなで勝つと決めた以上は足を引っ張りたくないんです!』

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出久「赤羽君聞いてたんだ...」

杉野「本当にお人好しだな。...進藤...悪りぃ緑谷、先に行っていてくれ」

その後、進藤は杉野を一人の野球プレイヤーと認めて握手していた。

高校でまた闘おうと言っていたが、

出久(地球が残ってればねぇ...)


中村「おーい、男子共お疲れ〜」

前原「お疲れ〜」

茅野「みんな凄かったね!」

渚「ありがとう。でも杉野がチームを引っ張ってくれて、殺せんせーがちゃんと道を示してくれたおかげだよ」


神崎「み、緑谷君...」

出久「神崎さん、そちらもお疲れ様」

神崎「う、うん。ホームラン、カ、カッコよかったよ...」

出久「あ、ありがとうございます...」

出久・神崎「......」


殺せんせー(いやぁこれが初々しい恋ですねぇ〜ノンフィクション恋愛小説の筆が進みますねぇ!!)

中村(緑谷も意識し始めてる...のかな...?いや、あいつの場合褒められて照れ臭くなってる可能性が高いな)

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杉野「緑谷......お前になら任せられる...!」

進藤「な、なんで涙目なんだ...!?」

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神崎「じゃ、じゃあ先行くね」

出久「う、うん」


速水「緑谷、お疲れ様」

出久「速水さん」

そう言って出久の横を通り過ぎようとした時





速水「...ホームランの時、確かにカッコよかったよ」ボソッ

出久「!?」

速水は少し足を早めて行ってしまった...


出久「......女子に褒められるなんて...!?」

出久は混乱したまま、無事に球技大会が終わったのだった...


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速水(なんであんな事を...)

 
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