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暗殺教室 in Hero

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緑谷出久の暗殺教室10 LRの時間

律の問題から数日。イリーナは殺せんせーを全く殺せないどころか自身の胸で茶まで飲ませている始末。うまくいかないことに苛ついて、廊下を歩いていると、


イリーナ「っ!?」

ワイヤートラップをかけられてしまった。

「驚いたよイリーナ、教師をやっているお前を見て。子供相手に楽しく授業...まるで、コメディアンのコントを見てるようだった」

イリーナ「っ!?せ、せんせい...!」

烏間「おい、女にかける技じゃないだろ」

イリーナにワイヤートラップをかけたのは、イリーナを推薦した殺し屋ロヴロだった。

ロヴロ「来てよかった。イリーナ、撤収しろ。お前じゃこの仕事は無理だ」

イリーナ「私ならやれます!!」

ロヴロ「ここで引くことが重要ではないのかな?お前にとってここがLとRだ」


殺せんせー「半分正解で半分不正解ですねぇ」

殺せんせーの顔は半分○で半分×のウルトラクイズみたいになっていた。

殺せんせー「確かに彼女一人では暗殺者として恐れる必要は全くありません。クソです」
 
イリーナ「誰がクソだ!!」
 
殺せんせー「ですが彼女こそこの教室に適任です。殺し比べてみればわかりますよ」

そこで殺せんせーはゲームを提案した。明日1日で烏間を対先生用ナイフで刺した方が勝ちというもの。

イリーナが勝てば残れて、ロヴロが勝てばイリーナを回収する、というものだ。

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後日の体育。

烏間「...というわけだ。迷惑な話だが、君等の授業に影響は与えない。普段通り過ごしてくれ」

その後生徒達の前でも色仕掛けで暗殺しようとしたが、堅物である烏間には効かず、時間がただただ過ぎていく。

出久「イリーナ先生大変だね...初見殺しが得意な感じじゃ烏間先生に勝つには難しいよ...」

渚「うん...」

出久「でも...負けず嫌いなイリーナ先生が諦めるとは思わないし...校庭を平らにしたときに本名は聞かない場合があるから別の作戦を作るって言ってたから...」

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その後ロヴロは職員室で暗殺を仕掛けたが、烏間は先日まで部隊にいた人間であり若い。簡単にいなされたロヴロは、烏間につかまれた腕の怪我を考えて辞退した。

そして昼休み、生徒達から見える外で、大胆にも色仕掛けで殺そうとしているイリーナに烏間は呆れていた。

イリーナ「じゃあ...今からそっち行くからね...っ!!」

誰もが色仕掛けで殺そうとしていると思っていたが、それは囮...本命はワイヤートラップで烏間の体制を崩して上を取る。

それが成功して烏間の上に乗れた。しかし単純な腕力では勝てずに、ナイフを刺そうにもさせない。


イリーナ「...烏間...ねえ...殺りたいの...」

烏間「諦めが悪いぞ!...っ...はぁ...諦めの悪い奴に1日も付き合えきれん!」

烏間が諦め、ナイフが胸に当たった。これでイリーナの勝利が決まった。


イリーナが教師になって、失敗とその克服を何度もしてきた。それは暗殺でも同じく、殺せんせーに対してほぼ毎日暗殺法を模索していたのだった。その成果が報われ、ロヴロもその事を知る。

殺せんせー「苦手なものでも一途に挑んで克服していく彼女の姿。生徒達がそれを見て挑戦を学べば、一人ひとりの暗殺者としてのレベルの向上につながります。だから、私を殺すならば彼女はここに必要なのです」
 
殺せんせーの言葉を聞いて、ロヴロはイリーナの元に向かった。
 
イリーナ「師匠...」
 
ロヴロ「出来の悪い弟子だ。先生でもやってた方がまだマシだ。必ず殺れよ、イリーナ」
 
イリーナ「...!!もちろんです、師匠!」


イリーナが残る事で生徒達は喜んでいた。

やはりこの暗殺教室にはイリーナがいなければいけないのだと。


出久は放課後、個性の訓練だけでなく、個性を使わずにナイフや銃の練習をしていた。

個性を使わないのは、個性を使ってない場合の基礎能力の向上のためだ。勿論個性とナイフ・銃を合わせる特訓もしている。


ロヴロ「ふむ、君は特に向上心が強いようだな」

出久「っ!?(気配もなくこんな近くに!)ロヴロさん...どうも...」

ロヴロ「緑谷出久だったな。暗殺術の復習を細かくし直しているようだな。だが、君の動きは暗殺者とは程遠い」

出久「そ、そうですか...」

ロヴロ「君はヒーローになりたいと聞いている。ヒーローにはなれるかもしれない。だが、ここで暗殺者としての戦い方を学ばなければならない。君の場合は...一撃で倒そうという傾向がある。まるでオールマイトみたいにな」

出久「うぐっ...」


ロヴロ「一度手合わせをしよう。暗殺者の戦い方を」

出久は構えた。ここで新しいものを掴まなければ、この教室の中では成長できないと感じているからだ。

出久「...っ!!!!」

出久は右足で地面を蹴り、個性でスピードは上がっているが、ロヴロは冷静に避ける。袖から出したワイヤーで出久の両手を縛り上げた。

ロヴロ「こっちは個性持ちの相手を殺したこともあるんだ」

出久「(落ち着け!このまま蹴りをしたらすぐにやり返させられる!!なら!!)スマァァシュ!!!」

出久は地面に蹴りを放ち、砂煙を出した。

ロヴロ「視界を奪ったか...だが、そこから予想できる攻撃のパターンを考えれば」

出久「くっ!?!?」


ロヴロ「簡単に殺せる」

出久は完全に動きを封じ込まれてしまった。


出久「参りました...」

ロヴロ「戦闘能力は、同年代のヒーロー志望の学生に比べれば高いだろう。ナイフも銃も基礎はしっかりと固められている。

だが、それを表に出しすぎている。相手に意表を突く攻撃が全くない。暗殺者は気配を隠すだけでなく、最初の一撃で仕留めることが重要でもある」

出久「意表を突く...」

ロヴロ「まあ、あえて油断をさせた上での一撃も必要な時もあるが」


出久「(そうか僕はオールマイトを意識しすぎていたんだ。全てを救う、誰からも注目されるオールマイト...僕は真似しているだけじゃ強くなんてなれない!!!

僕はここでヒーローを目指す戦い方だけじゃなく、暗殺者を目指す第二の戦い方も学ばなければいけない...!!)わかりました...!頑張ります!」

ロヴロ「その素直すぎる性格を直さないといけないようだがな」

出久「うっ...」

ロヴロ「ふっ...まあまた会おう」


少し遠くでは


殺せんせー「また何か気づいたようですねぇ...しかし彼を見ていると思い出す...」


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???「流石のスピード...やはり簡単にはいかないか...厄介なものですね」



???「これでもヒーローだからね!!さあお縄についてもらおうか!!」


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殺せんせー「真っ直ぐさは彼に似ていますが...


彼のような人生を送って欲しくありませんね......彼のような茨の道は...」


後日の放課後...出久は速水と共にファミレスで勉強をしていた。

今日、殺せんせーは渚とカルマと共に海外で映画を見ると早く行ってしまった。そのため、速水は手詰まっていた問題を聞くことができず、出久が教えているのだ。

速水「...ありがとね。教えてくれて」

出久「ううん。それに前に勝手に見ちゃった時の約束でもあるし」

猫好きでキャラ崩壊をしていたところを見られた時に約束した勉強を教えてもらうという約束のことだ。

しかしあの時とは違い、速水には思うことがあった。

速水(神崎が緑谷の事を好きだって知ってるのに、2人で勉強しちゃってる...けど、勉強で困っているのは事実だし...はぁ...)

出久「...どうしたの速水さん?」

速水「いや...ねえ、緑谷...聞いてもいい?」

出久「どうしたの?」

速水「やっぱりいくらヒーローを目指してるとしても...緑谷はどうして過去にあんな事をされてたのに前を向いていられるの?」


出久「.........前に言った通り、僕の原点がオールマイトだったからかな......オールマイトみたいにみんなを笑顔にしたい、虐められる前からずっと変わらずに持ってた...」

出久は飲み物を飲んで、再び口を開いた。

出久「もし諦めたら今まで我慢していたことがなんだったのか分からなくなるから...僕の人生のそのものが分からなくなるから...」

速水「...強いね」

出久「そうかな...E組来てから僕はまだまだだって思うことが沢山だ。僕もまだ弱い」

速水「そんなことはないよ。緑谷は自分の目指すものを持っている。私にはまだ明確なものがない」


出久「きっと見つかるよ。だってそれを学ぶ場所があるから。速水さんがなりたい自分を見つけられるよ。もし困ったら僕も手伝えることがあるなら手伝うよ」


出久の言葉は他人のために何かしたいという優しさに溢れている。それが今自分に向けられている。

速水「ありがと...」


純粋に人を応援する...嫉妬なんかしない。まさにヒーローと呼べる性格。

きっと、神崎が出久と付き合うことになれば、その優しさが神崎のみに向けられる可能性もある。

速水(きっといいカップルになるんだろうな...)

しかし今自分に向けられている優しさは薄まってしまう...独占されてしまう。

速水(彼女とかいたらとことん甘くなりそう...)


同じクラスメイトだからわかる...

人に優しく、手を差し伸べて、他人のために怒る...弱い立場である事を自覚して、同じ境遇で一緒に強くなろうとしてくれる緑谷出久...

速水(緑谷は本当に凄い...)

きっとクラスのマドンナである神崎から告白すれば成功するだろう。

そう思った速水は...



速水(羨ましいな...)

そう自然と思っていることに気づいた。


速水「.........私今なにを...!?」

出久「速水さん...?どうしたの?」


速水「...今日はありがとうっ...!帰るね...!(なんで...!?今緑谷のこと見れない...!!)」

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一方殺せんせーの方では...

映画を見終わり、渚とカルマを服に中に入れてマッハで日本に戻っていた。

殺せんせー「でね!私はどうしてもカップルを成立させたくてですね!」

カルマ「嫌われちゃうんじゃないの殺せんせー?」

殺せんせー「にゅやぁ...」

渚「それに肝心の緑谷君は神崎さんの気持ちに気づいていないし...」

律「そうですね。今日の緑谷さんはどうやら速水さんとファミレスにいたようですし」

全員の携帯電話のデータに侵入している、モバイル律が爆弾発言をした...

殺せんせー(やはり速水さんも...!?ヌルフフフフ...これからの学校生活が楽しみですねぇ!!!)

2人(ゲスイ顔だ...)



 
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