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ハッピークローバー

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第百三話 堕ちない幸せその五

「嫌われていて」
「それでそうなったのね」
「今も巨人が最高だって」
 二十一年連続最下位でもというのだ。
「去年なんて五十二連敗したのに」
「あれ凄かったわね」
「連勝したことなくて」
「危うく勝率零割台にいきそうで」
「そこまで酷かったけれど」
 これがかつての『球界の盟主』とやらの現状である。
「あの人まだそう言ってるのね」
「巨人が勝たないと駄目とかね」
「まあしがみついてるのね」
「それで質の悪いタブロイド紙位しか」
 日本のマスコミは世界最低と言っていいレベルにある、そしてその中でもタブロイド紙日刊や夕刊といったものは特に悪いのだ。
「お仕事ない位よ」
「質の悪い人同士は集まるから」
「そうそう、類は友を呼ぶというか」
「同じレベルの人同士で付き合うから」
「だからあの人もね」
 その卑しいことこのうえない落語家もどきもというのだ。
「そうしたところでしかね」
「お仕事ないのね」
「もうね」
「何かそのまま消えてもね」
「誰も困らないね」
「余の為人の為になることなんて」
 そうした輩はというのだ。
「絶対にないしね」
「そんな卑しい人は」
「火を不快にさせるだけだから」
 それ故にというのだ。
「もうね」
「消えても構わないわね」
「うん、残念だけれど世の中こんな人もいるんだね」
 伊東は実際に残念そうに述べた。
「卑しいことこの上なくて」
「誰の何の役にも立たない」
「害にしかならない人がね」
「不快にさせるだけの」
「あれだね、うちの理事長さんの一族の人達が信者さんの」
「天理教の教会ね」
「あそこにいた人で」
 伊東はさらに話した。
「図々しくて尊大で恩知らずで器が小さくて無神経でっていう」
「人のお家にいきなり電話して今日行くでお邪魔し鱒も言わないで上がり込んで大飯ただで食べて人のお部屋に勝手に入って本漁ってその本の文句ばかり言ってお風呂入って朝ご飯も大飯でお金貰って帰る人ね」
「奥さんに逃げられて爪切りまで持って行ったって言ってそれまで食べさせてもらったことに感謝しないでね」
「脳梗塞から回復した自分の叔父さんにちょっと注意されて殴ってやろうとか言ったり掴みかかったりの人よね」
「天理教でお世話になっても天理教の仕組みの悪口ばかり言うね」
「あのどんなことしても救われそうにない人ね」
 留奈は実に嫌そうに言った。
「流石に誰からも匙投げられて今は行方不明の」
「あの人だよ」
「この人学園じゃ有名だしね」
「駄目過ぎる人ととしてね」
「こうなってはいけないって」
「皆思ってるね」
 そうしたというのだ。
「どうにもならない人だけれど」
「その人もよね」
 まさにとだ、留奈は言った。
「害にしかならないわね」
「ならないよね、実際五十年生きていて誰かに何かしたことなんて」
「なかったの」
「献血すらね」
 献血もまた人を助ける社会貢献である。
「したことない」
「自分だけの人で」
「自分がこの世で一番偉いって勘違いしていて」
 そこまで尊大でというのだ。 
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