神々の塔
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第四十三話 新選組その五
「こうしてくるわ」
「新選組らしくか」
「新選組はこうしてや」
「仕掛けて来るな」
「ほんま武士っていうかな」
中里にやや首を傾げさせつつ言った。
「ヤクザ屋さんに近いな」
「そんなとこあるな」
「いきなり油断してるところをや」
「横や後ろから大勢でぶすりとかやしな」
中里は中里で後ろから迫っていたフェアリーとホビットの男を振り向き様に童子切の一閃で倒している、そのうえでの言葉だ。
「ヤクザ屋さんめいてるな」
「調べたらそんな風やしな」
「裏切り裏切られで」
「闇討ち上等やしな」
「フランス革命でもそやな」
リーは二人にあまりにも有名なフランスの一連の政変の話をした。
「裏切り裏切られ血で血を洗う」
「そこには義理も何もない」
「実は理念もな」
「ヤクザ屋さんの世界とや」
フランス革命もまた、というのだ。
「変わらん部分もある」
「生臭くて殺伐とした」
「そうした世界やな」
「そして新選組もな」
今度は左から来ようとした、リーは三人の刺客達オークとマミーとグレムリンの彼等に氷を放って倒してから二人に話した。
「同じやな、士道よりも」
掲げるそれよりもというのだ。
「生臭い部分が強い」
「そうした組織でな」
「そうしたところも理解せんとな」
さもないと、というのだ。
「誤解するわ」
「それは何事もやな」
「そや、まあ新選組は映画とかドラマとか漫画とかとな」
「現実はやな」
「かなりちゃうと言うとな」
そうすると、というのだ。
「否定出来んな」
「そうなるか」
「しかしね、武士とか言いながらね」
アレンカールはどうかという顔で述べた。
「普通に裏切り裏切られで」
「闇討ち上等でな」
「ほんまにちょっとちゃう感じがするわ」
「まあ志士の人達もな」
芥川は新選組の敵である彼等の話もした、特に長州藩にとって新選組は非常に厄介な敵であった様である。
「結構な」
「色々あったのね」
「さっきお話した西郷さんといいな」
「そういえば多かったわね」
アレンカールも言われて頷いた。
「そうしたお話が」
「暗殺がな」
「岡田以蔵さんとかね」
「あの人なんかな」
土佐藩の郷士であり坂本龍馬とは幼い頃からの友人同士だったという彼はというのだ。
「剣術は凄かったが」
「その剣術がよね」
「かえってな」
「ああしたことに使われたのね」
「実はそれなりに教育を受けてて」
芥川は今度は岡田以蔵の人物の話をした。
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