ハッピークローバー
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第百二話 自然環境もその十一
「あの人がいたからな」
「優勝出来たわね」
「あんな活躍を観られたことも」
それもまたとだ、越智は心から言った。
「幸せだな」
「そうね、何か幸せって」
「あちこちにあるな」
「そうよね、特別なものかっていうと」
そう考えるものかというのだ。
「そうじゃないわね」
「そうだな」
「その辺りにあるわね」
「ああ」
その通りだというのだった、越智も。
「考えてみたらな」
「そうよね」
「ちょっと周りを見てな」
そうしてというのだ。
「考えたらな」
「そこにあるわね」
「そこにあってな」
そうしてというのだ。
「手に出来るな」
「そうよね、特別なものじゃないわね」
富美子はあらためて言った。
「幸せって」
「そうだな、快適で安全で」
「いいもの観られたら」
「それで幸せだよな、お笑いだってな」
こちらもというのだ。
「笑えたらな」
「それで幸せよね」
「最近お笑いもテレビだとな」
「笑えないのよね」
「全然面白くないんだよな」
テレビのお笑いはというのだ。
「バラエティ番組なんかな」
「もう観るだけ無駄よね」
「あんなのじゃなくてな」
「ネットとかの方がね」
「面白いからな」
「そうなのよね」
「テレビはな」
越智は眉を顰めさせて言った。
「冗談抜きでな」
「面白くないわね」
「何でも昔はな」
かつてはというのだ。
「ゴールデンタイムアニメとか特撮とか時代劇とか」
「そういうのやってて」
「面白かったみたいだな」
「そうだったの」
「それが今はな」
「面白くないバラエティばかりね」
「ああ、だから誰もな」
それこそというのだ。
「観なくなるんだよ」
「そうよね、テレビ観るより」
富美子も言った。
「ユーチューブとかね」
「ネットの動画観るな」
「本当にね」
実際にというのだ。
「そっちの方がずっと面白いから」
「テレビよりもな」
「私テレビで観るって」
そうした番組はというと。
「アニメかドラマか特撮よ」
「それ位だよな」
「そういうのもネットで観られるけれど」
それでもというのだ。
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