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ドリトル先生の落語

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第十二幕その十

「これがね」
「もてないって思い込んで」
「そこで思考停止してるから」
「勘違いもしないけれど」
「それ以上にだからね」
「それ以上はないから」
「困るのよね」
「ううん、何が困るのか」
 それがという先生でした。
「全く以てわからないよ」
「わからないと駄目よ」
 サラがまた言ってきました。
「そうしたこともね」
「わからないとなんだ」
「兄さん一生恋愛とか結婚に縁がないって思ってるでしょ」
「事実だよ」
 やっぱりこう言う先生でした。
「僕はね」
「もてないわね」
「もうもてないことについては」  
 それこそというのです。
「他の誰にもね」
「負けないのね」
「それこそ僕がもてたら」
「何かしら」
「魔法だよ」
 そちらのことだというのです。
「僕は魔法も否定しないけれどね」
「魔法も錬金術も学問ね」
「科学が存在して」
 世の中にはというのです。
「それもまた学問で」
「魔法も錬金術もよね」
「学問でね」
 それでというのです。
「学ぶとね」
「面白いことが沢山わかるのね」
「そうだよ、そうしたものを否定しても」
「そこで終わって」
「何も得られないよ」
「それでそうしたものの存在も否定しないで」
「学んでいるよ」 
 魔法も錬金術もというのです。
「俗にオカルトというものもね」
「妖怪の人達ともお友達だし」
「そうそう、お静さんに姫路城のお姫様達ともね」
「兄さんの公平さと温厚さのお陰ね」
「妖怪も人の心があるのならね」
「人ね」
「そうだしね、オカルトを馬鹿にしても」
 それでもというのです。
「何もならないよ」
「そうなるのね」
「それが僕の考えだよ、しかし僕がもてる様になるなら」
 サラに笑って言うのでした。
「魔法を使う位だね」
「魔女の人に頼んでかしら」
「そうなるよ」
「そして兄さんはそうしたことはしないわね」
「しないよ、魔法は素晴らしいけれど」 
 そうした学問であることは事実でもというのです。
「自分の為に使うつもりはね」
「ないわね」
「僕はね」
「じゃあ魔女の人に惚れ薬を作ってもらって使うとか」 
 サラは魔法でよくあるお話をしました。
「しないわね」
「しないよ、世の為他の人の為にね」
 まさに自分の為にというのです。 
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