オズのカリフ王
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第十二幕その十
「思わぬいい思いをしてくれたらね」
「それならか」
「嬉しいわ、それでね」
「それで?」
「今度は私もよ」
オズマもというのでした。
「出しものをさせてもらうわ」
「オズマ姫もか」
「私は落語よ」
この言葉と共にでした。
オズマは右から左にくるりと一回転しました、すると。
きらきらとしたエメラルドグリーンのドレスからです、落語家の着物になりました。その格好になって言うのでした。
「今から披露させてもらうわ」
「オズマ姫が落語か」
「意外かしら」
「いや、お笑いでな」
それをしてというのです。
「しかもな」
「それが落語でなのね」
「意外も意外でな」
それでというのです。
「不思議にじゃ」
「思ったのね」
「うむ」
実際にというのです。
「どうもぴんと来なかったが」
「そうでしょ。よく言われるわ」
「やはりそうか」
「それでも最近興味を持って」
「それでか」
「時間があると稽古をしてね」
落語のそれをというのです。
「やっていっているのよ」
「何でもやってみるじゃな」
「やりたいと思ってね」
「やってみるとじゃな」
「いいのよ、それじゃあね」
「今からじゃな」
「やらせてもらうわ」
こう言ってでした。
オズマも落語を披露しました、それは上方落語で皆聞きながら笑ってでした。正座をしてお話を終えたオズマにです。
拍手喝采です、ノーム王も言いました。
「ううむ、落語もな」
「よいな」
「日本の文化であったな」
「そうであるぞ、ただな」
ここでドワーフ王はこう言いました。
「お話の中には元々は中国のお話もな」
「あるか」
「それがじゃ」
中国のお話がというのです。
「日本でアレンジされてな」
「語られているものもあるか」
「そうらしいぞ」
スマートフォンを片手にお話します。
「今わしが調べるとな」
「そうであるか」
「あとオズマ姫は上方落語であるが」
落語でもというのです。
「それは大坂でじゃ」
「オズの国で言うと秀吉さんの街か」
「そこでな」
そちらでというのです。
「主に行われておるものじゃ」
「そういえばあの街は落語も盛んであるのう」
「オズマ姫もそちらで学んだらしいが」
それがというのです。
「もう一つ江戸のじゃ」
「そちらでもか」
「落語があるらしい」
「そうなのか」
「うむ、落語と言ってもな」
一口にです。
「色々とな」
「あるのじゃな」
「その様じゃな」
「成程のう」
「いや、そうしたことを調べてもな」
ドワーフ王は笑ってお話しました。
「実にじゃ」
「面白いのう」
「全くであるな」
「何でもな」
それこそというのです。
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