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神々の塔

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第四十二話 血に酔い痴れる女神その十一

 一行はアナト女神の舞を見切ってだった。
 そのうえで戦いそうして勝った、他の神々にも勝つと。
「終わりよ、上の階に言っていいわよ」
「ほな」
 リーがアナト女神の言葉に応えた。
「これで」
「行ってね、ただね」
「その前にですね」
「そうよ、宿屋に戻って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「休むことですね」
「そして身体も清めて」
 風呂に入ってというのだ。
「宴もね」
「勝ったそれを祝う」
「それも楽しむのよ」
 リーに明るく笑って話した。
「いいわね」
「それでは」
「まだまだ先は長いけれど」
 アナト女神はそれでもと話した。
「けれどね」
「先にですね」
「進んでいくのよ」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「ほなそうさせてもらいます」
 リーもそれではと答えた。
「これから」
「そうしてね、じゃあね」
「はい、宿屋に行きます」
 リーもこう言ってだった。
 一行は一旦宿屋に戻った、そして風呂で身体を清め宴を開いたがそこで綾乃はワインを飲んでこう言った。
「やっぱりね」
「美味しいな」
「ワインは」
「ほんまね」
 中里と芥川に応えた。
「他のお酒もええけど」
「ワインもやな」
「ええな」
「今飲んでるのは赤ワインやけど」
 見ればそうである。
「メソポタミアでも飲んでたんやろか」
「古代エジプトにはあったな」
 芥川はこう答えた。
「そやったな」
「そやったんやね」
「貴族しか飲めんかったんや」
「確かメインはビールで」
「メソポタミアもな」
 こちらもというのだ。
「同じやった筈や」
「そやったんやね」
「それでな」
 芥川はさらに話した。
「ワインはあってもかなりな」
「高価なもんやってんね」
「そやったやろな」
「ワインは葡萄から造るけど」
「その葡萄がどうかや」
「そういうことやね」
「まず穀物を作る」
 農業はというのだ。
「主食をな」
「それから他のもんやね」
「特に古代やとな」
「主食以外になると」
「少なかった筈や」
 その生産量がというのだ。
「それでワインもや」
「少なかったんやね」
「古代エジプトもそうでな」
「メソポタミアもやね」
「その筈や」
「ほなうち等が普通にワイン飲んでるのは」
「その頃から見たらな」
 そうすればというのだ。
「かなりの贅沢や」
「そうなるんやね」
「ああ、それで今はな」
「その贅沢をやね」
「飲もうな」
「勝ったお祝いに」
 綾乃は笑顔で言ってだった。
 実際にワインを飲んだ、勝利の美酒でもあるその酒は実に美味かった。


第四十二話   完


                   2023・9・15 
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