おぢばにおかえり
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第七十七話 おみちの本その二十一
「行かせてもらいます」
「そうなのね」
「それで、です」
私にさらに言ってきました。
「毎週行かせてもらうんで」
「私が大教会に行っても」
「そうさせてもらいます」
「そうなのね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「神戸に帰られますと」
私を見て言ってきました。
「僕もそうそうお会い出来ないですね」
「神戸に親戚の人おられてもね」
「奈良から遠いですからね」
「そうね、けれどそれでもよね」
「はい、出来たら行きますんで」
神戸までというのです。
「その時はお願いします」
「こちらこそね」
「阿波野君が大学を卒業したらね」
それならとです、白石さんがここで言われました。
「その時はね」
「何かあります?」
「阿波野君講習も受けるつもりだね」
「将来は」
新一君は白石さんに答えました。
「そのつもりです」
「教会長の資格貰うんだね」
「そうします、将来を考えて」
それでというのです。
「大学では色々資格を取って」
「それとは別にだね」
「教会長さんの資格もです」
「色々考えてるんだね」
「教員免許、博物館の学芸員に図書館の書士に」
それにというのです。
「教会長さんもです」
「四つもだね」
「あと自動車の免許も」
これもというのです。
「考えています」
「それだけ資格あったらいいね」
「何があっても生活に困らない様にします」
「いいと思うよ、それだけあったら」
白石さんは私を見て言われました。
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