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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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5-4

月曜日、学校に行く途中で踏切を渡った最初の桜の木の下。あった! 小石が3つ並んで置かれていた。私は、待ちわびた夕方にたっ君に電話してみた。

「おぉー 小石 見つけられたか?」

「ウン 泉希に秘密バラしちゃったけどネ うらやましーって言ってた。あのさー みゅうみゅんは神戸 行ったこと無いんだぁー 連れてってよー お願い」

「神戸かぁー じゃぁー 今度の日曜にするかー 練習ないしー 天気だったらな」

「ウン 楽しみにしてる 晴れるといいネ」

 そして、日曜日。晴れたり曇ったりの天気だったけど・・・私は、ばっちやんに買ってもらったサロペット風の赤いミニのワンピースでスカートの部分がフレァーになっていて、ショートブーツというものも、初めての恰好で・・・。ショルダーバッグも併せて

「なんか お尻がすーすーするネ 大丈夫かなー」

「まぁ あんまりお転婆しなきゃぁネ でも、とっても可愛いよ 彼氏も見とれるさー」と、ばっちゃんが後押ししてくれていた。薄く、口紅も塗ってくれていたのだ。そして、今日の門限は5時だからネ  暗くなるから と念押しされて出てきたのだ。

 駅で待ち合わせしていたたっ君と会うと

「みゅうみゅん・・・ 別人みたい 可愛い女の子だよー」

「ふふっ いつも 女の子じゃあない?」

「いや 今日は 特別かな」

 三宮の駅に着いて、異人館をめざそうとなった時、たっ君はさっさっと行くので

「なぁ こんなに人の多いのー 迷子になったら どーすんのよ」と、私は、嫌がる素振りのたっ君に無理やり腕を組んで歩き出したんだけど・・・

「やっぱり ちょっと 違和感」と、手をつなぐだけにしていた。何となく、他人が見ているようなー 腕を組んでいるカップルも居るんだけど、私達には、似合わないような気がしてきていたのだ。

「外人さんって こんなに頑丈な家に住んでいたんだね それも こんなに坂の上に  みゅうみゅんの島なんて こんな上の方だったらお水に苦労するものなー」

「そーだな みんな下のほうだったネ 2階建てなんかも少なかった」

「風も怖いしネ まぁ 全体的に質素なんだよー」

 その後、歩いて、ロープウェイ乗り場からハーブ園に上った。神戸港全体が見えるので、私は感激して

「すごーい 大きな船 島の港と全然ちがうネ クレーンも大きいぃー ねぇ ねぇ 見てー あの船って 客船かなー どこ行くんだろう」

「うーん あれは多分 湾内をクルーズするんかなー 中で食事とかして」

「ふーん 船の中でご飯食べて 何がおもろいんやー 外の景色見るんちゃうん?」

「そんなこと 僕に聞いてもわからへん!」

「へっ 冷たい返事!」

「じゃぁ どう答えればいいんだよー」

「そーねぇー そのうち、みゅうみゅんも連れて行くよー とか」

「アホ そんなことより さっきから スカートの中 チラチラ 見えてるでー」

「あっ そうなん? いつもの短パンのつもりやったから」

「まぁ 黒いのしか・・・」

「そう ばっちゃんが スパッツ穿けって言ってたから あっ そうかー たっ君 パンツ 見られへんから悔しいやろー」

「アホかー そんなん・・・」

「あのなー みゅうみゅんは 今日 黒の下はピンクの縞々やー」

「バカ 余計なことゆうなよー」

「なぁ 二人っきりになれるとこないなー」

「ないなーぁ」

「残念やろー?」

「あぁ しょうがないな!」

 私は、たっ君も同じこと考えていたんだと思いながら、又、ロープウェイで降りて、中華街をめざして、豚まんを並んで買って、ハーバーランドの芝生で食べることにした。

 やっぱり、島には無かった波止場の雰囲気。変わった形の建物とか観覧車なんかもある。島とは違うなって、私は感動していた。

 その芝生には、大きな石がベンチみたいになっていて、丁度植え込みの木の陰になっていて、このチャンスと私が思っていたら、たっ君も感じてくれたのか・・・チュッと・・・抱きしめてきてくれたのだ。豚まんの味がしていた。 
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