札幌の廃墟
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第六章
「私としてはね」
「残念ね」
「ええ」
実にというのだった。
「このことはね」
「やっぱり住みたかったのね」
「本気でね」
そうだったというのだ。
「あの時はね、ただね」
「そうしなかったわね」
「出来なかったともいうわね」
「これはっていう物件がなくて」
「高かったりして」
家賃がというのだ。
「やっぱり通勤や周りのこともあって」
「それでなのね」
「ユニットバスは駄目だしね」
「そういうところも見ないとね」
「住むならね」
このことを考えると、というのだ。
「現実はシビアよ」
「その通りね」
「だから札幌のね」
「今のお家に残ることにしたのね」
「そうよ、それでそうしてね」
札幌に残ってというのだ。
「よかったわ」
「そうなのね」
「ええ、それじゃあね」
「これからも」
「札幌にいて日本ハムの応援して」
「札幌ドームの末路見るのね」
「あのままいったら、ユーチューブの動画でも言っている人いたけれど」
その動画を制作した人がというのだ。
「何年か後は」
「破産ね」
「札幌市民として税金投入は許さないから」
「運営の自業自得だし」
「あのまま潰れて」
そうなってというのだ。
「廃墟か跡地になるといいわ」
「野球ファン怒らせると怖いわね」
「ええ、ただね」
ここでふとだ、澄香は友人にふと思い出した顔になって言った。
「あのドーム最初は西武が使うつもりだったらしいわ」
「そうだったの」
「あそこが準フランチャイズにするつもりだったらしいわ」
「そうだったのね」
「それが急に日本ハムが名乗り上げて」
本拠地にするとだ。
「それで揉めたけれど」
「日本ハムの本拠地になったの」
「今西武親会社がちょっと苦しいから」
澄香はこの話もした。
「だから今あそこが使うかっていうと」
「ないわね、チームの身売り自体の噂もあるし」
「買うとしたら」
澄香は少し深刻な顔で話した。
「福岡の」
「ホークス?」
「あそこ桁外れにお金あるから」
「補強なんか凄いから」
「ひょっとしてとか」
「あそこお金あってもシビアでしょ」
その使い方はとだ、友人はこのことを指摘した。
「だからメリットないと思ったら」
「使わないのね」
「買うとしてもうんと安くね」
「買い叩く?」
「そうするんじゃない?」
「そうなるかしら、未来はわからないしね」
「まあそうなっても今の運営が苦しむなら」
札幌ドームのというのだ。
「いいかもね」
「そうなのね」
「それでね」
こう言うのだった。
「まあ流石にあのドーム買うチームもね」
「いないわね」
「メリットないからね」
「東広島の窮状の方がずっといいし」
「今やね」
友人に笑顔で話した、そしてだった。
澄香は札幌市で日本ハムファイターズを応援しながら楽しく過ごしていった、その中で札幌ドームの凋落を聞く度に笑顔になった。自業自得だと。
札幌の廃墟 完
2023・10・28
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