MSV-蒼空の英霊-
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北の国から(1)
前書き
こんにちは!
今回は地上です。しかも、2話連続です。ではっ。
U.C.0079.11.9. アラスカ
しんしんと雪の降るアラスカ。地球連邦軍北極基地の見える谷間に2つの雪山がある。
否、それは雪に埋もれたザクⅡ寒冷地仕様である。2機とも深く雪をかぶりザクの姿をとどめていなかった。ここ数日暴風雪により足止めを食らっていたからだ。
「兄弟、動けるか?」
「なんとか。」
「よーし。ハーディの奴にいい顔をさせるためにもそろそろかかるか。」
「へい、兄貴。」
たちまち雪が崩れ全身の白いザクⅡが姿を現し、モノアイが力強く光る。
「マシンガン、生きてるよな?」
「大丈夫っすよ、凍っているのは外装だけっす。」
「よし、隊長居ないけど、ギガント隊、出撃!」
2機のザクⅡはスキーをするように斜面を下り北極基地に肉薄する。すると基地から3機のGMが出てくる。
「おいでなすった。倒す必要はねぇ。基地から離せば十分だ。」
「了解でさぁ。」
2機のザクⅡはGMを射程に収めつつも徐々に後退していく。それにつられてGMたちもザクⅡを追う。そして1機が突出する。
「撃て!」
120mmの弾丸がことごとく命中し、各所から煙が噴き出す。そしてビームサーベル・マシンガンのも被弾し、それらは小爆発を起こしたためにGMはバランスを崩し転倒した。
「一機撃破。」
「次ぃ!」
僚機が撃破されたことに怖気づいたのか残った2機のGMは密集してシールドを構えた。
「これでもくらえ!」
そこに2番機がシュツルムファウストを打ち込む。だが、2機のGMは2手にわかれることで弾速の遅いそれを回避した。
しかしそれは2番機の読み通りであり、目論み通り2機の間に着弾し盛大に雪煙を上げ、GMが見えなくなる。
「突撃!」
2機のザクはセンサーを有効に活用しGMにタックルを駆ける。当然GMもそれらの動きは見えているのだが、突然のタックルについていけずまともに受けてしまう。
倒れたGMに馬乗りになりコックピットにザクマシンガンを突きつける。
『や、やめ、や・・・』
接触回線で連邦兵の悲鳴が聞こえる。
悲鳴を上げずに上に乗っているザクを退かせばいいものを。
「これで終わりだ。」
『や、やめてくれ!』
「そう言って来た連中にてめぇらは何をしてきた?」
『そ、それは・・・』
連邦兵の言葉が詰まる。自分たちの行いを鑑みればこの後自分の身に起こることは容易に想像できた。
「そういうことだ!」
至近距離から放たれた120mmの弾丸はひとつ残らずコックピットに吸い込まれていった。
「増援が来る。気をつけろ。」
基地からさらに2機のGMが出てくる。
「よし、さっきと同じようにするぞ。」
「了解。」
先程と同じように徐々に下がって行くが、基地から十分に離れないうちに、2番機の腕が突如飛んだ。
「ぐぁっ。」
「兄貴っ!」
あたりを見回すと基地の右手、GMスナイパーⅡが狙撃体制にあった。
「くそっ、逃げるぞ!」
「了解。援護します。」
スラスターを一気に噴かせ後退する。すると彼らがいたところをビームの奔流が走った。追い打ちをかけるようにGMのマシンガンも飛んでくる。
「急げっ!。」
ビームライフルの銃口がほのかに光りだした。
「くそぉ、間に合えぇぇぇぇっ。」
しかしそこからビームが走ることはなかった。
なぜなら別のビームがスナイパーを貫いたからだ。続いて彼らを追っていたGMもビームに貫かれる。
「な、なんだ?」
「た、隊長ぉおお!」
「え?」
彼らを元自分のいた谷間に見える地味な色の1機のザクⅠ。そのスナイパータイプ。
それの銃口からさらにビームが走りもう1機のGMを仕留める。
『待たせたな。』
TO BE CONTINUE…
後書き
ZAKUⅡJ<MS-06J>
名機ザクⅡの陸戦型。本作品の登場機はその寒冷地仕様である。機体各所に氷結対策が施されている。性能的には他のザクⅡと大差ない。
はいっ、今回はここ、アラスカです。あたり一面白一色何もありません。ただ寒いだけ。というわけで今回もザクでした。次回はザクⅠスナイパータイプです。最後のセリフは気にしないでね☆
お楽しみに?
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