八条学園騒動記
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第七百二十二話 哺乳類その二
「そのコーナーから出てだ」
「そうしてですか」
「他の生きものを襲う」
「そんなことまでしますか」
「昔ある動物園で夜のうちに生きものがいなくなることがあった」
「アザラシ等が」
「それはどうしてかと調べるとな」
そうすると、というのだ。
「夜のうちにヒョウアザラシがな」
「自分のコーナーから出てですか」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「他の生きもの達を襲ってだ」
「食べていたのですね」
「ことの真相はそうだった」
「まさに猛獣ですね」
「人も襲う」
そうすることもあるというのだ。
「犠牲者も出ている」
「それは意外ですね」
「だから連合ではな」
「このアザラシは警戒されていますか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「寒帯に棲息しているがな」
「海にですね」
「淡水生のものもいる」
「星によっては」
「アザラシは海水生とは限らない」
海に棲息している種類だけではないというのだ。
「地球でもそうだしな」
「そういえばエウロパでも」
上等兵は大尉の話に気付いて言った。
「そうしたアザラシがいますね」
「星によってはそうだな」
「はい、そうですね」
「地球ではバイカルアザラシがいる」
「その種類のアザラシがですね」
「そして他の星にもこのアザラシがいてな」
そうしてというのだ。
「他のアザラシも淡水生のものがだ」
「存在しているのですね」
「そうなのだ」
「そしてヒョウアザラシも」
「淡水生のものも存在しているのだ」
星によってはというのだ。
「連合ではな」
「では川や湖に棲息していて」
「人を襲うこともある」
「そうなのですね」
「もっと言えばアザラシは寒帯に棲息するということもな」
エウロパでは『定義』と言われていることだ、地球においても殆どのアザラシがそうであるので尚更である。
「連合ではな」
「違いますか」
「熱帯の海に棲息しているアザラシも存在していてだ」
大尉は上等兵にさらに話した。
「アマゾンにもだ」
「棲息しているアザラシがいますか」
「そうなのだ」
「そこは違うのですね」
「だから定義はな」
大尉はここでもこれのことを話した。
「あくまでだ」
「変わるものですね」
「絶対のものではないのだ」
「それは生物学においてもであって」
「連合ではな」
「星によってはですね」
「そうしたアザラシもいる、ただな」
大尉は真剣な顔でこうも言った。
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