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神々の塔

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第四十一話 深き者共その六

「その中で生きてです」
「人は人になるやな」
「そうですので」
「自分等はか」
「皆さんと同じ様にです」
 こう芥川に話した。
「暮らしています、そのうえで」
「ラグクラフトの神々を信仰してか」
「暮らしています」
「そやねんな」
「実はこれといってです」
 今度はおかみが言って来た、毛色は白である。
「私達は身の回りの世話等はです」
「してへんのか」
 おかみには中里が応じた。
「そうなんか」
「他の神霊の方々とは違い」
「何かよくわからんことしてるというか」
「特に何もです」
「されてへんか」
「そうした方々なので」
 だからだというのだ。
「私達も時々お伺いして礼拝する位で」
「何もか」
「していません、眷属の方々のお世話をです」
 それをというのだ。
「させて頂くだけでそちらもです」
「忙しないか」
「はい」
 そうだというのだ。
「それで私達の暮らしをです」
「してるんか」
「文明から産業を興し」
「それを発展させてか」
「暮らしています」
 彼等のいる世界でというのだ。
「そうしています」
「成程な」 
 中里はここまで聞いて頷いた、そうして夕食のビーフステーキを食べながらそのうえで言うのだった。
「ほなあっちの世界でもステーキ食うてるか」
「そうしています」
「そういうことやな」
「そしてこうしてです」
「塔にも出てか」
「眷属の方々に命じられて」
 混沌の神々のというのだ。
「私達もはです」
「この宿屋でやな」
「奉職しています」
「わかったわ、ほな今晩とな」
「戦の後はですね」
「宜しく頼むわ」
「わかりました、それでは」
「もう一枚焼いてくれるか」
 そのステーキをぺろりと食べておかみに言った。
「ステーキな」
「わかりました、それでは」
「ああ、頼むで」
「今から焼かせてもらいますね」
「今はヒレやったが」
 このステーキを食べたがというのだ。
「今度はティーボーンをな」
「召し上がられますか」
「そうするわ」
「それではそちらを焼かせてもらいます」
「レアでな、それでソースはな」
 中里はそちらの話もした。
「お醤油にするか」
「ソイソースですか」
「アメリカのソースもええけどな」
「この度はですか」
「お醤油をな」
 これをかけてというのだ。 
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