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イベリス

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第百二十一話 毎日見たいのでその十一

「言わないさ」
「ですね」
「ああ、このこともな」
 咲にあらためて言った。
「わかっておいてくれよ」
「わかりました」
 咲も確かな声で頷いた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあな」
「はい、しかしそんな人と一緒にならない為に」
 DV夫のことを思い出して言った。
「相手の人はよく、ですね」
「見極めない駄目なんだよ」
「それからお付き合いすることですね」
「DV旦那は最低だけれどな」
 この輩自体はというのだ。
「まずな」
「相手の人をですね」
「よく見極めてな」
 そうしてというのだ。
「付き合わないとな」
「駄目ですね」
「そうなんだよ」
 こう咲に言うのだった。
「自分自身でもな」
「そうですよね」
「本当に相手の人はな」
 くれぐれもという言葉だった。
「じっくり時間もかけてな」
「それで、ですね」
「よく見てな」
 そうしてというのだ。
「付き合うかどうかもな」
「決めることですか」
「焦ったらな」
 若しそうすればというのだ。
「駄目だぞ」
「交際は」
「ああ、焦って相手をよく見ないでな」
「お付き合いしたら」
「そいつがどうしようもない奴とかな」
「あるんですね」
「DVだけじゃないんだよ」
 問題のある行為はというのだ。
「借金があったりな」
「お酒とかギャンブルで」
「働かないでな」
 そのうえでというのだ。
「そんなのとはな」
「付き合わないことですね」
「若し付き合って不幸になるのは自分だからな」
 そうであるからだというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「もうな」
 それこそというのだ。
「付き合う相手はな」
「焦らずよく見て」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「決めるんだよ」
「交際は」
「相手が誰でもな」
「そうですか」
「言っておくがこれは仕事や立場の問題じゃないからな」
「どんな立場でもですか」
「いい人も悪い奴もいるからな」
 その両方がというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「その人の仕事や立場で判断したら駄目だ」
「お付き合いしていいかどうか」
「金持っていてもな」
 この場合でもというのだ。 
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