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ハッピークローバー

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第百話 彼岸を過ぎてその二

「まだ夏だったのが」
「本当に彼岸過ぎる頃は」
「嘘みたいにな」
 九月初頭の暑さがというのだ。
「涼しいよな」
「同じ月とは思えない位に」
「夏と思っていたら」
 九月の最初の頃はというのだ。
「彼岸が終われば」
「もうね」
「秋だな」
「そう感じるわね」
「そうだよな」
「これが四季ね」
「季節が徐々に移り変わるんだな」
「これが赤道にあったら」
 地球のこの場所にというのだ。
「シンガポール辺りね」
「常夏だよな」
「そうよ、ずっとね」
 一年中というのだ。
「夏よ」
「まだ北極当たりの方が季節あるらしいな」
「ノルウェーとかアラスカの北ね」
 まさに北極圏である、この辺りになると寒さは格別だ。
「多少ね」
「白夜とかあってな」
「季節があるのよ」
「常冬じゃないな」
「けれど赤道の辺りは」
「冗談抜きで常夏だな」
「だから日本の四季は」
 これはというのだ。
「そうした国の人達から見たら」
「かなり独特でな」
「素晴らしいのよ」
「それが普通に実感出来るんだな」
 成海は長方形の紙パックの果物ジュースをストローで少し飲んでからかな恵に話した。学園の中のコンビニで買ったものだ。
「そうだよな」
「そうよ、それで秋になったら」
 かな恵はさらに話した。
「柿とか梨とかね」
「美味いよな」
「そうなのよね」
「柿いいよな」
 成海は笑顔になってこの果物の話をした。
「本当にな」
「美味しいわよね、柿」
「確かに今は秋でなくても食えたりするけれどな」
 それでもというのだ。
「やっぱり柿は秋がな」
「一番美味しいよね」
「そうだよな、梨だってな」 
 この果物もというのだ。
「秋のがな」
「一番美味しいのよね」
「そうだよな、秋って食欲の秋っていうけどな」
「文字通りよね」
「俺もそう思うよ」
「私もよ。あと成海っちまた背伸びた?」
 彼のそのことを言ったのだった、ここで。
「そうじゃない?」
「百七十超えたな」
「そうなの」
「何とかって感じでな」
 かな恵に顔を向けて笑顔になって話した。
「そこまでいったよ」
「百七十いったの」
「そうなんだよ」
「男の子にとって百七十って目安?」
「それ以上あったらな」
「いいのね」
「出来たらな」
 成海はこうも言った。 
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