ペットが蛇だと
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第二章
「むしろね」
「じゃあその娘は心配無用ね」
「外に逃げられて他の生きものに襲われる方が心配だよ」
夫の声は真剣なものだった。
「僕はね」
「鳥とか?」
「蛇は天敵が多いからね」
怖がられているが実はというのだ。
「狸や狐に襲われて鼬や猪にもね」
「襲われるのね」
「山だとね、街でも」
自分達が暮らしている場所でもというのだ、二人は息子の実朝父親そっくりの彼と三人暮らしで生きもの達を飼っているのだ。
「烏とかいるから」
「心配が多いのね」
「そうだよ」
こう言うのだった、そんな中で。
小学生の息子その実朝が両親にインコを飼いたいと言った、すると父はそのインコの大きさを聞いた。
そのうえでだ、笑顔で言った。
「いいぞ、ちゃんと面倒を見ろよ」
「いいの?ハナコがインコ食べたり襲われたり」
「餌はちゃんと与えてるから襲わない、それにハナコが幾ら口を開いても」
蛇のそれが大きく開くことから話した。
「それ位ならな、間違って外に出て万が一な」
「食べようとしても」
「無理だ、むしろインコにな」
「襲われるか」
「心配だ、だから蛇は天敵が多くてな」
そうした生きものでというのだ。
「特に鳥にな」
「烏とか」
「山じゃ梟とかにも襲われるんだ」
「本当に天敵多いのね」
「けれどそれ位の大きさのインコならな」
「いいのね」
「飛べなくても鶏にもやられるんだ」
この鳥にもというのだ。
「そんな生きものだからな」
「実朝に聞いたのね」
「そうだ、じゃあインコちゃんと育てるんだぞ」
息子にまた言った。
「ずっとな」
「そうしていくね」
息子は笑顔で約束した、そして彼は家に迎えたインコ雄の彼をラドンと名付けてずっと可愛がった。父は父でハナコも他の子達も可愛がり妻はそんな家族を見て親子ねと笑顔で思い言ったのだった。
ペットが蛇だと 完
2023・10・21
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