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神々の塔

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第四十話 童話の中からその四

「狼は人を襲わん」
「基本的にな」
「そやから家畜になってな」 
 それも人類で最初に家畜化された生きものである。
「犬になった」
「そやな」
「あの野獣は人を好んで襲ってたが」
 そして殺していたのだ。
「これはや」
「狼の習性やないな」
「どう見てもな」
「そやな」
 シェリルもそれはと返した。
「狼が何故嫌われたか」
「家畜を襲うからや」
「牧場の羊とかをな」
「それであの野獣は人が羊とかを放牧してても」
 そうした時も野獣は襲ってきたのだ。
「狼はこの場合羊を襲うが」
「野獣は人を襲ったな」
「しかも襲い方がや」
 具体的なそれがというのだ。
「どう見てもや」
「狼のものやないな」
「検証すればする程や」
「それユゴーも言ってるな」
「そや、狼やない」
 リーはまた断言した。
「あの野獣は」
「世界一有名な獣害と言ってええけど」
 アレンカールも言ってきた。
「狼やと言われてても」
「絶対にや」
「狼やないね」
「その正体は今だに謎やが」
 中には狼人説もある、事実フランスそれにドイツには狼人の伝承も多くそうではなかったかという人物も歴史上見受けられる。
「それは言える」
「狼やないことは」
「このことはな」
「そうなのね」
「それで獣害はな」 
 リーもこれ自体の話をした。
「やっぱりな」
「世界中にあるのよね」
「ブラジルなんかそやな」
「こっちの世界でもね。アマゾンに入ったら」
 それこそというのだ。
「もうね」
「獣害なんて普通やな」
「ジャガーもアナコンダも鰐もおるさかい」
 こうした猛獣達がというのだ。
「国全体で多いし」
「特にアマゾンやとやな」
「こっちの世界、というかね」
「こっちの世界はさらにやな」
「怖い猛獣が多いから」
 アマゾンにはというのだ。
「ほんまね」
「こと欠かんな」
「獣害から人を護るのも政で」
 その一環でといううのだ。
「あたいもリサールちゃんもね」
「しっかりやってたな」
「そうだったわ、最初からね」
「そやったな」
「ただ日本は猛獣は殆どいないって聞いてたから」
 アレンカールは起きた世界で自分達が今いる国の話をした。
「北海道のそのお話はね」
「信じられんかったか」
「最初聞いた時はね」
 こう中里に話した。 
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