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X ーthe another storyー

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第三十九話 幼少その五

「やはり忙しいお仕事なので」
「中々ですね」
「出来ていません、ですが」
「それでもですね」
「時間を取っています、では」
「これからですね」
「着替えて」 
 そうしてというのだ。
「そのうえで」
「帰って」
「僕のお家で」
 そこでというのだ。
「くつろぎましょう」
「わかりました」
 玳透も頷いた、そうしてだった。
 修行の場から征一狼の家に入った、するとそこでは奇麗な妙齢の女性と可愛い少女がいてそうしてだった。
 二人を迎えてだ、食事も出してくれた。
 征一狼はハンバーグとスパゲティそれにサラダとカルパッチョといったメニューを前にして玳透に言った。
「いつも通り内緒ですが」
「お酒をですね」
「ワインですがいいですか?」
「はい」
 玳透は笑顔で応えた。
「お願いします」
「それでは」
 征一狼は微笑んで応えてだった、ワインのボトルを出してだった。
 二人で飲んで食べはじめた、その中で言うのだった。
「今妻と娘はお風呂に入っていますが」
「お二人がですね」
「僕の宝です」
 微笑んでの言葉だった。
「まさにです」
「何よりもですね」
「代え難い」
 そうしたというのだ。
「宝物です」
「だからですね」
「何があってもです」
「お二人を護りますか」
「天の龍として戦っても」
 それでもというのだ。
「絶対にです」
「お二人はですね」
「護ります、その為にもです」
「勝ちますね」
「来たるべき戦いに」
 それに対してというのだ。
「そうします」
「そうですね、では僕はです」
「その僕をですか」
「そして丁様を」
 彼女もというのだ。
「お護りします」
「そうしてくれますか」
「駄目でしょうか」
「玳透君はご自身のお役目に専念して下さい」
「征一狼さんのことはですか」
「僕のことは僕で何とかしますので」
 優しい笑顔での言葉だった。
「ですから」
「それで、ですか」
「ご安心下さい、そして丁様をです」
「何があってもですね」
「お願いします」
「わかりました」
 玳透は征一狼の言葉に頷いた、その話を終えてだった。
 征一狼は玳透と共に仲間達に言った。
「下らないお話ですね」
「これと言って何もない」
「いや、絆がわかった」
 神威は笑顔で応えた。 
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