神々の塔
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第三十八話 江戸桜その九
「威圧感もや」
「備えてるのね」
「そやからな」
それ故にとだ、中里はさらに話した。
「この威圧感にもや」
「向かっていってね」
「勝たんとあかんわ」
「そういうことね」
「ああ、威圧感を感じても」
それでもというのだ。
「僕等はな」
「向かうことね」
「そや、威圧感にはな」
これに対してはというと。
「向かう気持ちや」
「それが大事ね」
「勇気を出すんや」
こうもだ、中里は言った。
「こうした時はな」
「威圧感に怯む、しかしその怯みを自覚して」
そしてとだ、リーも言ってきた。
「向かうことやな」
「勇気とは何かっていうとな」
中里はリーにも話した。
「やっぱりあれや、恐怖をや」
「知ることやな」
「そや、そしてその恐怖をや」
「克服することね」
「それがほんまの勇気や」
こうもだ、中里はリーに話した。
「やっぱりな」
「それでその勇気を出すか」
「ああ、今はな」
「威圧感、恐怖を自覚して」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「前に出るわ」
「わかった、ほな私もな」
「勇気を出すか」
「ああ、恐怖を自覚して」
そうしてというのだ。
「攻めるで」
「ほなな」
こう言ってだった。
リーは意休の威圧感を前にしてそれに向かってだった。
神船を出した、それは十星連合の戦艦であった。その戦艦での砲撃を怯むことなく放たせて攻撃してだった。
意休を攻めた、他の者も威圧感に負けず攻めて勝った、すると意休は高らかに笑ってこんなことを言った。
「うむ、わしを倒すとはな」
「よおやったですか」
「そう言おう」
こう言うのだった。
「まことにな」
「そうですか」
「褒めてつかわず」
綾乃に言うのだった。
「このことはな、しかし戦は続く」
「そやからですね」
「わしに勝ってもな」
それでもというのだ。
「油断せずだ」
「次の戦に向かうことですね」
「そうだ、その次の相手が俺だ」
助六が出て来た。
「俺がこの階最後だ、用意はいいな」
「はい、何時でも」
綾乃はすぐに答えた。
「いけます」
「いい返事だ、じゃあ戦うぞ」
「お願いします」
こうやり取りをしてだった。
一行は助六との戦にも入った、助六は確かに強く。
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