イベリス
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第百十九話 秋という季節その三
「いいんだね」
「そう言われると」
「地獄を味わっても」
「あのお話新しい彼女さんが出てくれて」
咲もその話をした。
「それでずっと一緒にいてくれたお友達もいてくれて」
「本当の意味のね」
「それで何とか助かりましたね」
「若しその人達がいなかったら」
「終わってましたね」
「自殺してもね」
そうしてもというのだ。
「おかしくない位のね」
「酷い状況でしたね」
「聞く限りだとね」
部長も真顔で述べた。
「そうだよ」
「そうですよね、ですが」
「小山さんはなんだ」
「はい、二次元もいいですが」
またこう言うのだった。
「それよりもです」
「三次元だね」
「そうです」
こちらだというのだ。
「本当に」
「二次元も悪くないと思うよ」
「二次元は好きですが」
それでもというのだ。
「そうしたキャラもいますけれど」
「それでもなんだ」
「はい、恋愛をするなら」
本物のそれはというのだ。
「その相手の人はです」
「三次元なんだ」
「リアルです」
「そちらだね」
「そうです、それがです」
まさにというのだ。
「私の恋愛への考えですね」
「そうなんだね、まあ小山さんがそれが好きならね」
それならとだ、部長は咲に話した。
「そうしたらいいよ」
「現実の人と恋愛をしてもですね」
「うん、僕は諦めてるし」
部長は笑って話した。
「それに怖いしね」
「失恋とか」
「うん、失恋して地獄を見るとかも」
そうしたこともというのだ。
「嫌だしね」
「だからですか」
「恋愛はね」
現実のそれはというのだ。
「縁がないのが幸いで」
「そのままいかれますか」
「そうしていくよ」
「そうですか」
「いや、神戸の本校の話を聞いたら」
そうすると、とだ、部長は言うのだった。
「無茶苦茶酷いからね、失恋したら」
「あのお話ですね」
咲は振られて裏切られたというその話を思い出して述べた。
「酷く振られてけしかけた友達に裏切られた」
「あのお話は凄いからね」
「あんまりですよね」
「そのお話聞いたらね」
「自分は、ですか」
「恋愛しようとかね」
そうしたことはというのだ。
「本当にね」
「思わないですか」
「僕以外にもこう思う人多いと思うよ」
こうも言うのだった。
「本当にね」
「そうでしょうね」
咲も否定しなかった。
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