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星河の覇皇

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第八十五部第一章 国防省への忠告その三十五

「しかしだ」
「六十年で三倍でも三千億です」
「我々はその頃には九兆にはなっている」
「数の差が大きいですね」
「やはり増えて豊かになる」
「これに尽きますね」
「国家はな、だがギルフォード総統に注意していくことはだ」
 このことはというのだ。
「変わらない」
「左様ですね」
「そうする」
 こう言うのだった。
「私はな」
「それでは」
「あの国のこともな」
「常にですね」
「見てだ」
 そのうえでというのだ。
「ことにあたる」
「そうしていくべきですね」
「そうだ、千億で四兆に勝つ」 
 人口のことから話した。
「三百年の技術差に六百倍の国力差」
「普通に考えて勝てないですね」
「事実我々はエウロパ戦役で勝った」
 この戦いのことも話した。
「国力と人口、技術の差でな」
「そうなりましたね」
「しかしだ」
「それでもですね」
「それは永遠のものではない」
「努力をしていけば国力も技術も上がりますね」
「人口もな、やがてはだ」
 今でなくともというのだ。
「エウロパは急成長を続け」
「連合を超える」
「何時かはそうなるかも知れないことはだ」
 このことはというのだ、キロモトは遥か先の未来も見据えてそのうえでカバリエに対して話をした。
「可能性として零ではない」
「何百年先でもですね」
「そして千年先でもだ」
 その未来がというのだ。
「まさにだ」
「有り得ることですね」
「人の命は百年、百年でも相当に変わる」
 世の中、それはというのだ。
「それが千年になるとな」
「もうどうなっているかわからないですね」
「西暦で千年と二千年で世界は全く違っていた」
「そして連合も千年前は」
「今と比べるとな」
「遥かにでしたね」
「小さく技術もだ」
 これもというのだ。
「未熟だった」
「千年先のことなぞ」
「誰もわからない、だからな」
「エウロパが連合を超えることもですね」
「その可能性は零でない」
「だからですね」
「発展してだ」
 連合はというのだ。
「それを続け国家としてあり続ける」
「そのことがすべきことですね」
「千年先連合もエウロパもどうなっているかはわからない」
 それこそというのだ。
「なくなっていることもだ」
「有り得ますね」
「千年の間両国も存在してきたが」
 マウリアもというのだ。 
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