イベリス
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第百十八話 次第に知っていってその八
「思えてきたわ」
「そうなのね、咲ちゃんも」
「人と人の出会いって偶然じゃないわね」
「その偶然と思える様なことがね」
人から見ればというのだ。
「実はね」
「神様仏様の力ね」
「そうじゃないかしらってね」
その様にというのだ。
「思えるでしょ」
「そうね」
確かにとだ、咲も頷いた。
「私も店長さんとお会いした時のこと考えたら」
「それなら」
「神様仏様はいるわね」
こう愛に言った。
「絶対に」
「そうよね、私だってね」
「神様仏様信じてるから」
「だからね」
それでというのだ。
「お寺や神社にもね」
「お参りしているのね」
「ええ、それでお参りしたらそれだけでね」
愛はさらに言った。
「心もすっきりするし」
「いいのね」
「そうした存在に触れるのも」
神仏にというのだ。
「いいものだしね」
「それだけで違うのね」
「それでその店長さんが言ったことだけれど」
愛は咲にさらに言った。
「いいと思うわ」
「お姉ちゃんも」
「ええ、困った時は叔父さん叔母さんにね」
「お姉ちゃんにも?」
「それでその店長さんにもね」
速水にもというのだ。
「聞いてもらったアドバイスを貰えたらね」
「貰って」
「あとお寺や神社に行くことも」
「いいのね」
「物凄く落ち込んだ時はその落ち込んだ理由のことばかり考えて」
そうなってというのだ。
「他のこと考えられないかも知れないけれど」
「それでもなの」
「叔父さん叔母さんも気付いたら声かけてくれるし」
咲の両親もというのだ。
「私も毎日メールやライン送ってるでしょ」
「それで聞いてくれるのね」
「気付く様にもするから」
愛は自分から言った。
「安心してね」
「それじゃあね」
「それで美味しいもの飲んだり食べたりすることも」
「自棄酒とか?」
「嫌なことを忘れる為にはよ」
その為にはというのだ。
「いいから」
「飲むといいのね」
「食べることもね」
こちらもというのだ。
「いいからね」
「だからなのね」
「お話を聞いてもらってアドバイスも貰えたらね」
「貰って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「お酒とかでもね」
「忘れて」
「お寺や神社にも行ったりして」
「忘れるのね」
「救われるのよ」
「そうよ、救われて」
そうしてというのだ。
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