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X ーthe another storyー

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第三十七話 退院その七

「それならだ」
「僕もなんだ」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「仲間なんだね」
「俺はあまり話したことはないが」
 こう前置きしてだ、神威は話した。
「緋炎も蒼氷もな」
「あの人達もだね」
「仲間だな」
「そう言うんだね、神威は」
「まさか仲間は天の龍だけだと思っているのか」
 神威は玳透に問うた。
「お前は」
「いや、そう言われると」
「違うな、天の龍の七人だけでなくだ」
「僕達もなんだ」
「そして小鳥もな」
 彼女にも顔を向けて話した。
「仲間だ」
「私達の」
「ああ、一緒にいるからな」
 小鳥に笑顔を見せて話した。
「だからな」
「それでなのね」
「小鳥もな」
 まさにというのだ。
「俺達の仲間だ」
「そうなのね」
「戦わないが」
 それでもというのだ。
「そういう問題じゃない」
「そうなの」
「そうだ、だからな」
「こうして一緒にいて」
「戦いが終わればな」
 その時はというのだ。
「一緒にな」
「ピクニックに行くのね」
「そうしよう、何処かいい場所にな」
「それなら」
 その場所についてだ、小鳥はふと思って言った。
「あの木の前がいいんじゃない?」
「ああ、あの木か」
「そう、どうかしら」
 神威に微笑んで提案した。
「あの木の前ならね」
「そうだな、いいな」
「そうよね」
「ならな」
「戦いが終わったらね」
「それからな」
「皆で行きましょう」
 神威に微笑んだまま話した。
「その時に」
「そうしような」
「何か前にも聞いたかも知れんけど」
 空汰は二人の話を聞いてこの前置きから述べた。
「ええ場所やな」
「俺達の思い出の場所でな」 
 神威は空汰にも話した。
「安らげて落ち着けてな」
「ええ場所やねんな」
「よく三人で遊んだ」
 今度は懐かしむ顔で話した。
「封真も入れてな」
「そうしてか」
「周りで鬼ごっこをしたり木に登ったりな」
「そうもしてか」
「楽しかった」
「木に登ってね」
 小鳥は過去を懐かしむ顔で話した。 
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