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夢幻水滸伝

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第三百十六話 ケンタッキーの牧童その十

「輸送も出来る」
「左様ですね」
「賊やモンスターの退治にも用いるけどな」
 そうしたものをというのだ。
「若し戦になってもな」
「用いますね」
「そうするわ、今のとこ降らん勢力は放っておいてるけどな」
「州の統一を考えますと」
 老人が言ってきた。
「やはりです」
「軍隊送ってな」
「武力で降すしかないです」
「それしかないな」
「ギンズバーグ様ご自身が出られてもです」
 老人は星の者である彼の強さも話した。
「よいと思いますが」
「僕はやることが多いか」
「そうです、戦だけではないですね」
「僕のやることは」
「そうですね」
「今話している車や鉄道のことといいな」
「政のことで、です」 
 このことでというのだ。
「やるべきことが多いですね」
「そやな」
 ギンズバーグもそれはと応えた、フェアリー特有の小柄な身体で腕を組んでその上で老人に対して答えた。
「政で勢力を豊かにして平和にしてな」
「よいものにすることがですね」
「第一や」
「その政を行って頂くので」
 だからだというのだ。
「ですから」
「それでやな」
「出来るだけです」
「僕は出陣すべきやないな」
「そうかと」
「そう考えるとな」
 そうであるならとだ、ギンズバーグは応えた。
「やっぱりな」
「軍隊を送り」
 そうしてというのだ。
「勝ってです」
「降すべきやな」
「車や鉄道ですね」
 市長が言って来た。
「航空機といっても」
「僕等の技術ではな」
 ギンズバーグは市長に難しい顔で応えた。
「今は複葉機位しかな」
「ないですね」
「輸送機があったらええけど」
「今の我々ではまだですね」
「持てんわ、そうやとな」
「航空機はですね」
「偵察とか空からの攻撃に使えるけどな」
「航空機は輸送には使えないですね」
「空船やな、しかし空船は高価で」
 そうした代物でというのだ。
「僕等も持ってることは持ってるけどな」
「それでもですね」
「少ないわ」
「貴重なものです」
「そやから空船はな」
「あまり、ですね」
「使えんわ」
 数が少なく貴重なものだからだというのだ。
「おいそれはな」
「だから陸からですね」
「移動や輸送を行って」
 車や鉄道を用いてというのだ。
「そうしてくわ」
「そうですね」
「戦の時はな」
「ではそのことも見据えて」
「軍隊を整えていって」
 そうしてというのだ。
「車に鉄道、道路をな」
「整えますね」
「そうするわ」
 こう言ってだった。 
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