| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十八話 次第に知っていってその四

「私も」
「そうした人が困っていれば」
「お話を聞くだけでもです」
「されますね」
「そうします」
「アドバイスは出来れば」
 可能であるならというのだ。
「すればいいです」
「そうですか」
「むしろお話を聞くだけでもです」
「全く違うので」
「そうされて下さい」
「ならそうします」
「そしてです」
 速水はさらに言った。
「その人の心にある辛いものや暗いものをです」
「吐き出してもらうんですね」
「本当にそれだけで全く違うので」
「聞くべきですね」
「そうされて下さい」
「そうします、それで私が辛くても」
「信頼出来る人がいれば」
「その人にですね」
「そうして下さい」
「お父さんもお母さんもお姉ちゃんも聞いてくれます」 
 両親と愛の笑顔を脳裏に思い浮かべて速水に答えた。
「絶対に」
「小山さんが困った時にですね」
「そうしてくれます」
「ならお聞き下さい、また私も」
「聞いてくれますか」
「はい、そして困った時に行くといいのは」
 速水は咲をその右目で見つつさらに話した。
「お寺や神社、教会です」
「宗教関係ですか」
「そうした時にこそです」
「お寺とか行くべきですね」
「お坊さんや神主さんにお話したり」
「するといいんですね」
「キリスト教の教会には懺悔室があります」
 このこともだ、速水は話した。
「それは何故か」
「悩みは苦しみを聞いてもらう為ですね」
「そして心が救われる為です」
 まさにその為にというのだ。
「あるのです」
「だからですか」94
「そうした時はです」
「お寺とか行くこともですね」
「いいのです」
「そうですか」
「神仏は存在します」
 速水は断言した。
「これは確かです」
「それは私も思います」
「そして神仏は困った人が来るならば」
 自分達のところにというのだ。
「助けてくれます」
「そうした存在ですね」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「是非です」
「困った時は」
「そうした場所にも行かれて下さい」
「そうします」
「仏像に手を合わせても」
 そうするだけでもというのだ。
「かなり救われます」
「それだけで」
「神社や教会にお参りしても」
 そうもしてもというのだ。
「いいです」
「それだけで、ですね」
「お話をしなくても」
「救われるんですね」
「ある程度でも」
「そうした場所なんですね」
「ですから」 
 それ故にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧