オズのカリフ王
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第七幕その三
「だからな」
「今も言うか」
「ああ、飲んで暴れる話はな」
「あっ、この方は」
ジョージはその人を見て言いました。
「張飛さんだよね」
「そうそう、張飛さんよね」
「絶対にそうだよ」
「赤い服とそのお髭」
「そして蛇矛とくれば」
恵梨香達四人も言います。
「間違いないわ」
「この方は張飛さんだね」
「張飛翼徳さん」
「関羽さんの義弟さんだよ」
「如何にも、おいらの名は張飛」
ご自身を左の親指で指し示しつつ名乗りました。
「字は翼徳、益徳とも言うな」
「我等はオズの国でも一緒なのだ」
関羽さんもお話してきました。
「兄上と共にな」
「劉備さんですね」
「あの方と一緒ですね」
「三人で」
「オズの国でも」
「そうなんですね」
「今は兄弟揃ってしかも孔明殿達とも一緒だ」
こうお話するのでした。
「蜀漢に共にお仕えしたな」
「曹操殿も一緒だしな」
張飛さんはこの人もとお話しました。
「地上ではいがみ合っていたけれどな」
「今は仲良しだしな」
「共に天帝様にお仕えしてな」
「オズの国にいる」
「ううむ、この方々とお会い出来てな」
それでとです、ノーム王も言います。
「感無量じゃ」
「全くじゃ、ではな」
「天帝さんにお会いしよう」
「これよりな」
「案内させてもらうな」
ここで孫悟空さんが言ってきました。
「天帝さんのところまでな、ただな」
「ただ?どうしたのじゃ」
「いや、項羽さんもいるんだよな」
「天帝さんの御前にはか」
「実はおいら朝に項羽さんの朝飯のお粥盗み食いしたんだよ」
「そんなことをしたのか」
「悪戯でな、そうしたら項羽さん怒ってな」
それでというのです。
「追いかけ回されたんだよ」
「全く兄貴の悪戯好きは相変わらずだな」
「そこは変わらないからな」
猪八戒さんと沙悟浄さんも笑って言います。
「ずっとな」
「それこそ石から生まれた時からな」
「おいらも項羽さんには負けるからな」
この方にはというのです。
「あの強さは圧倒的過ぎるぜ」
「おいらと兄貴二人がかりどころかな」
張飛さんも項羽さんのお話をします。
「五虎将軍全員で互角だからな」
「項羽殿は別格だ」
関羽さんも言います。
「あの御仁に勝てる者はこの宮殿にはおらぬ」
「ああ、この宮殿最強だな」
「全くだ、だが拙者がとりなす故」
関羽さんは孫悟空さんに言いました。
「安心されよ」
「悪いな、いつも」
「何、悟空殿にはいつもよくしてもらっている」
関羽さんは感謝の言葉を述べる悟空さんに笑顔で応えました。
「それ故に」
「今回もか」
「礼はいい、ではな」
「これからか」
「ノーム王、ドワーフ王とご一行をな」
「天帝様の御前にな」
「案内致そう」
こう言ってでした。
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