神々の塔
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第三十七話 氷の海の神々その四
「カイロ使うわ」
「使い捨てカイロな」
カイロと聞いてだ、中里は頷いて言った。
「あれは便利やな」
「そやね」
「冬の寒い時にな」
まさにその時にというのだ。
「外出するんやったら」
「使うね」
「服に貼って」
そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「あったまるねん」
「あれがええな」
「今も湯たんぽあるけど」
綾乃はこの暖房器具の話もした。
「お湯入れなあかんし」
「お湯は冷えるしな」
「それに重いしかさばるし」
こうしたこともあってというのだ。
「どうしても」
「使い勝手がな」
「カイロには負けるわ」
「そやな」
「何度でも使えるけど」
「綾乃ちゃんとしてはやな」
「カイロやで」
使い捨てのそれだというのだ。
「冬は」
「そやな」
「冷え性やと」
「そうしたもんも必要やな」
「服何着も着て」
そうしてというのだ。
「靴下かて厚い生地のやで」
「ガード固くやな」
「寒さに対して」
「それでやってるな」
「そやねん」
まさにというのだ。
「日本の冬も寒いけど」
「そやな」
「身体は冷やしたらあかん」
芥川は強い声で言った。
「出来る限りな」
「そやね」
「冷えるとな」
「色々悪いで」
「それだけでな」
「それでやねん」
綾乃にしてもというのだ。
「うち冬は厚着やねん。制服のスカート短いし」
「というか折ってるやろスカート」
制服のそれはとだ、芥川は指摘した。
「皆」
「それはファッションやから」
「そうしてるか」
「そうしてやで」
そのうえでというのだ。
「お洒落にしてるねん」
「寒くてもやな」
「それでその分」
スカートを短くしている分というのだ。
「ストッキングとかで」
「暖かくしてるんやな」
「ストッキング重ね履きしてそこにハイソックスも履いて」
そうもしてというのだ。
「それでやで」
「あったかくしてるんやな」
「そやねん。スカート短いのは絶対で」
ファッションとしてというのだ。
「それでどう暖かくするか」
「それが課題やねんな」
「女子高生の冬はそやねん」
「成程な」
「そやからアフリカとか中南米とか東南アジアの娘達は」
こういった国々から来ているというのだ。
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