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魔法少女リリカルなのは-白銀の断罪者-

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1st Episode 白銀の断罪者
  少女との出会い

「…………」

『お疲れ様です』

管理局の目を欺き隠れていた指名手配犯を殺した後

「局員の多数殺害なんて大それた事を言っていたがこの程度か…………」

何故か物足りない、そう思う

シグナムと戦ってからずっとだ

あの一戦が忘れられず記憶に焼き付いたままだった

そのせいか戦いをすれば物足りなさが自分の中で目立つ

『渚様、烈火の将と比べるのは無理があるかと。あれは歴戦の戦士です。あの実力に達するなど余程の天才か同じ歴戦の猛者のみです』

「それもそうか…………」

そう呟き転移魔法を使おうとすると

「ん?」

視界に入るふらつく女の子

俯きふらついた足取りでゆっくりと移動している

見られたか?

そう思ったのも束の間

膝をつき崩れるように倒れた

「…………」

『気を失っているようです』

女の子の状態を伝えてくれる

『魔導師が近づいてきます。恐らく管理局員かと』

「っち、仕方ないか…」

俺は女の子を抱え転移する








ここは……

目覚めた私は見覚えの無い部屋を見回す

どこだろう

と自分の記憶を辿ると

「あ……」

思い出したくない事実まで思い出してしまった

唯一の肉親となった兄の死

兄の死を無駄死にと馬鹿にする上司

ショック受けた状態で街をふらついてそのまま気を失った

気を失う寸前綺麗な人が居たのも

そこまで思い出した

じゃあここは?

あのまま倒れていたならありえない場所

ビル街のようなごった返したような場所でも医療施設等の無機質な雰囲気でもなく生活感がそれなりに感じられる綺麗な部屋

誰かが運んでくれた?

そこまで考えると扉が開く音が聞こえそちらを向く

「起きたか」

恐らく私よりも年上であろう人がいた

けれどそんなことよりも

「綺麗……」

そんな言葉が私の思考を占めていた

整った見た目、差し込む日光を受けキラキラと輝く艶のある銀髪、海のように透き通るアクアブルーの瞳

それらが互いを引き立てるように存在している

「ありがとう。で、話と言う程の事でもないが、飯は食えるか?」

「あ、はい…」

「ならついてこい、お前の分も作っている」

と言われついていくと

「あ、起きたのね」

と姉?母?よくわからないが先程の人よりも更に年上の人が居た

先程の人が座り空いている場所に座る

「いただきます」

「いただきま~~っす!」

「い…いただき…ます?」

状況が理解できていないせいもあってか疑問形になってしまった



食後

「で、唐突なんだけど聞きたい事があるのよ」

とお姉さんが言ってくる

「貴方、こいつが戦ってる所見たの?」

戦っている所?

「えーと……」

思い出してみる

「あ……」

隣に座る銀髪の人

その先にありえない状態になって倒れている人

「見ちゃったのね…」

顔を青くしていたのだろう、その状態から察された

「あ、あの、見てはいけないものだったんですか?」

「まぁ、あんたのこの後が決まったとだけは」

と言うと真面目な顔になる

「残念ながら見られた以上消す位しかないのよ」

消す?

私を?

何で?

「こいつが人を殺した、そう通報されるのは困るの。こいつ今噂の【断罪者】だから」

「……」

空いた口が塞がらない

そんな言葉は今の状況を言うのだろう

隣の人が正義の味方とか大量殺戮の犯罪者とか言われているあの【断罪者】

信じられなかった

でも同時に好機だと思った

「だから」

「お願いがあります!」

お姉さんの言葉を遮って【断罪者】さんに言う

「私を鍛えてください!」

「……」

無言

何も言われない

肯定とも否定とも

「理由が知りたい」

そう思っていると声をかけられた

理由…

「私には兄が居ました。優しくて頼りになるそんな兄が。でもその兄もつい先日あった事件で犯罪者によって殺されました」

「復讐…か……」

呟きを首を横に振って否定する

「兄が死んだのもショックですがどこか覚悟はしていました。管理局員なのだから死ぬような事件に出動することになっても仕方ない…と。けど」

「…」

「けどあの兄さんの上司の言葉が、兄が無能だ無意味だっていう言葉が許せないんです!だから認めさせたい。兄さんの、ランスターの弾丸は無意味じゃないって!兄の魔法は役立たずじゃないって!」

叫ぶように言う

お願い!

そう心の中で願う

「そんな理由なら却下だ」

あ…

いとも簡単に却下される

「言っておくがそんな理由じゃ強くはなれない。今のお前はその強迫観念に縛られているだけだ、そんな理由で戦えばいつか死ぬか誰かを殺す」

「……」

確かに

ついそう思ってしまうほど胸に響いた

「自分の戦う理由を見つけろ、そうすれば鍛えてやらんこともない」

戦う理由?

私が?

何の力も持っていないのに?

とりあえず考えてみる

すると突然兄さんと出かけた時のことが思い出される

兄さんが笑顔で何かを見る

その視線を追うようにそちらを見ると

笑顔で楽しそうに過ごす家族の姿が

その家族と兄さんの笑顔は今でも覚えている

ああ、そうか…

「私、人の笑顔を守りたいです……」

そう言う

「笑顔の大切さを知っているから。大切な人が死ぬ悲しみを知っているから。その辛さを知っているから。だから私は笑顔を守りたいんです。皆が笑顔で過ごせる世界を守りたいんです!」

そう

だから

そのために

「そのために強くなりたい……。お願いします!私を鍛えてください!」

「………」

またも無言

先程断られた

また断られるのではないか?そんな疑問が湧いてくる

「………」

「………いいぞ」

「え?」

思わず聞き返す

「おまえを鍛えてやる」

その言葉に思わず

「ありがとうございます!」

笑顔でそう言う

「いいねぇ、青春してるねぇ」

とお姉さんがからかうような声音でいう

「今更感が半端じゃないけど自己紹介しようか。私はシオン・マグラス、彼のサポートをしてる」

彼?

彼って?

「あの~彼って?」

「へ?」

私の言葉が予想外だったのか物凄く驚くお姉さん

「こいつだけど?」

と指差したのは

「………」

隣の人だった

「え?」

思わず出た驚きの言葉

「えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!??」

叫んだのは仕方ないのではないかと思う 
 

 
後書き
過去の自分も予想外のティアナ参戦www

しかも途中の回想とかその後のティアナの言葉とか…書いてて"終わってる"と思ったのは秘密(何がかも秘密) 
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