妹達との散歩

　　　　　　　　　　　　　　　　妹達との散歩
　ふわりが今暮らしている国崎家に親戚が来た、その親戚は二人の小さな女の子達を擦れて来ていたが。
　二人を見てだ、一家の父親である文太は言った。
「いい機会だな」
「そうね」　
　一家の主婦である百合子も頷いた。
「姉妹いっしょになったし」
「そう思って連れて来たのよ」
　その親戚も笑顔で言ってきた。
「実はね」
「そうだったんだな」
「最初からですね」
「ふわりちゃんとね」
　彼女と、というのだ。
「一緒にって思って」
「それならな」
　文太はその親戚に笑顔で応えた。
「今からな」
「そうね、お散歩行きましょう」
　百合子も言った。
「皆でね」
「そうしような」
「ふわりもいいわね」
　百合子は今度はケージの中にいる彼女に声をかけた。
「そうして」
「ワンッ」
　ふわりも嬉しそうに鳴いてだった。
　ケージの中から出て来た、それでだった。
　ふわりは両親と親戚そして自分の二人の妹達と一緒に散歩に行くことになったが彼女は常にだった。
　妹達に寄り添っていた、百合子はそんな彼女を見て言った。
「本来はね」
「ああ、ふわりはずっとな」
「こうしていたかったのね」
「妹が出来た時からな」
「そうだったのよね」
「いい娘だからな」
　文太はリードを持ちつつ妻に話した。
「だからな」
「そう考えて」
「そしてだ」
　そのうえでというのだ。
「本当にな」
「いつも妹さん達に寄り添って」
「守ったりな」
「家族の手助けをしたかったのね」
「だからな」
　そう考えているからだというのだ。
「この娘達と一緒だといつもだろ」
「泣いたらこっちに着て教えてくれて」
「おむつ持って来たりな」
「おもちゃ貸してあげたりするわね」
「妹想いでな」　
　ふわりはというのだ。