悪ガキの悪戯

　　　　　　　　　　　　　　　　悪ガキの悪戯
　小学五年生の谷田隼人は悪ガキとして悪名高い、兎に角悪戯好きで学校ではそのことで知らない者はいない。
　それでよくクラスでも言われているが子供の悪戯で定番の一つであるスカートめくりはしない。そのことについてクラスメイト達に聞かれたが。
「めくってもパンツ見えないだろ」
「ああ、皆下に半ズボン穿いてるよな」
「体育の時のな」
「それ穿いてるな」
「だからな」
　それでというのだ。
「俺しないんだよ」
「そうなんだな」
「それでスカートめくらないんだな」
「そうするんだな」
「そんなことするよりもな」
　それよりもというのだ。
「俺その辺りのエロ本拾うよ」
「ああ、あるよな」
「エロ本な」
「それ拾ってな」
「それを読むんだな」
「そうするよ、その方がな」
　それこそというのだ。
「いいだろ」
「スカートめくって半ズボンなんか見てもな」
「パンツじゃなくてな」
「だからか」
「そういう悪戯はしないか」
「そうだよ、そんなことしても無駄だろ」
　こう言ってスカートめくりはしなかった、だが。
　女子高生の短いスカートを見てだ、ある日クラスメイト達にこう言った。
「お姉さんだと半ズボン穿いてないよな」
「パンツだよな」
「あのスカートの下は」
「そうだよな」
「じゃあめくるか？」
　塾の帰りに道を歩く三人連れの女子高生達を見て話した。
「あの人達のな」
「いや、あの人達壊そうだぞ」
「あの制服底辺高校だぞ」
「県内で一番悪い学校だぞ」
「あそこの人皆ヤンキーだろ」
「あの人達だってそうだろ」
「ヤンキーか。そんな人達のスカートめくったら」
　どうなるか、流石の谷田も考えた。
「やばいよな」
「お前殺されるぞ」
「山に埋められるぞ」
「あそこ殺人事件もあったんだぞ」
「だからお前も殺されるぞ」
「そうなるぞ」
「いや、やるぞ俺は」
　ここで怖気付くと根性なしと言われる、それは我慢出来なくてだ。
　彼はやると決意した、それで女子高生達如何にも柄の悪そうな三人組に後ろから近付きスカートをめくろうとした、だが。
　その前に風が吹いてだった、三人のスカートがそれぞれめくれたが。
「げっ、真っ赤」
「黒のティーバック」
「白のスケスケかよ」
「こりゃすげえ」
「ものすげえパンツだな」　
　谷田も彼と一緒にいた友人達も驚いた。
「あんなの母ちゃんでも持ってねえぞ」
「うちの姉ちゃんの勝負パンツかよ」
「従姉の姉ちゃん持ってたか？」
「すげえスケベなパンツだな」
「ああ、三人共な」
「おい」
　そんなことを言っているとだった。
　その三人組が振り返ってきた、そして谷田達を睨んできた。
「お前等見たな」
「あたし達のパンツ見て只で済むと思ってんのかよ」
「ガキでも容赦しねえぞ」
「お前等しめるぞ」
「ちょっとこっち来い」
「ぶっ殺してやる」
「ま、まずいぞ」
　谷田は女子高生達が睨んできたのを見て本能的に危機を察した。