八条学園騒動記
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第七百十七話 三つ目の蜥蜴その四
「そうなっている」
「そうなのですね」
「だが蛸や烏賊は違う」
こうした生きもの達はというのだ。
「別に尊ばれたりはな」
「されていないですか」
「親しまれてはいるが」
このことは事実だがというのだ。
「それは美味しいからだ」
「食べるとですね」
「連合ではどちらもよく食べる」
蛸も烏賊もというのだ。
「特に日本ではな」
「そういえばよく食べますね」
上等兵も言われて頷いた。
「日本人は」
「蛸も烏賊もな」
「そうですね」
「たこ焼きにもしてな」
大尉はこの料理の名前も出した。
「食べるな」
「そうですね」
「こうした生きものも足が多いが」
「尊ばれてはいない」
「そうなのだ、昆虫もな」
「足が六本ありますね」
「子供達は好きでおもちゃのモチーフにもなるが」
それでもというのだ。
「尊ばれてはだ」
「いませんね」
「そして昆虫も連合ではだ」
即ちこの国ではというのだ。
「普通にだ」
「食べられますね」
「そうだ、何でも食べる国だからな」
それ故にというのだ。
「これまでこの動物園で観てきた生きもの達もだが」
「昆虫もですね」
「食べる、それもだ」
「美味しくですね」
「そうして食べる」
そうだというのだ。
「蝗なりゲンゴロウなりをな」
「そうした虫をですか」
「食べる、あと蜂やカブトムシもだ」
こうした昆虫達もというのだ。
「ひいては蜘蛛や蠍もな」
「厳密に言うと昆虫ではない生きものも」
「調理してだ」
そうしてというのだ。
「食べる」
「そうしたものも」
「しかもこれがだ」
こうした生きもの達がというのだ。
「これはこれで美味いそうだ」
「そうですか」
「低カロリー高タンパクでだ」
「身体にもいいですか」
「そうらしいな」
「そうなのですね」
「連合では元気が出るとも言われている」
食べると、というのだ。
「そうもな」
「強精の元ですか」
「そうも言われている」
「そういえば蠍をです」
「連合ではそう言って食べるな」
「そうでした、蟻もです」
この昆虫もというのだ。
「甘いと言っていますね」
「ミツアリだな」
大尉はすぐに応えた。
「その蟻は」
「確か」
「アボリジニーからのことだ」
この蟻を食べることはというのだ。
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