IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
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事件が終わって・・・!
前書き
織斑千冬
黒髪に鳶色の瞳。身長166cm。
彼女の事を一言で表すならば、完全無欠。
ISの技能に関して彼女の右に並ぶものは居ないとまで謳われた、最強の操縦者。
第一回モンド・グロッソにて総合優勝者。その時に畏怖と敬意を持って付けられたのが“ブリュンヒルデ”という名だ。
以後、千冬以外にブリュンヒルデを名乗ることを許された人物はいない。
と、表向きの顔は最高だ。
だが、家では結構だらしない。洗濯や掃除などの家事一切が苦手で、寮の部屋も汚い。
一夏のことを家族として深く愛しており、ヒロイン達に付け入る隙を与えないブラコンっぷり。
弟を守る完全無欠のガーディアンなのだ。
学園の地下五十メートル。そこはレベル4権限を持つ関係者のみ入ることを許された、隠された空間だった。
機能停止した“二機”のISはすぐさま其処へ運び込まれ、分解され、解析にまわされた。
それから三時間、千冬はアリーナ内外での二つの戦闘の記録を見続けていた。
「・・・・・・」
室内は薄暗く、ディスプレイで照らされた千冬の顔は、酷く冷たいものだった。
「織斑先生?」
ディスプレイに割り込みでウィンドウが開く。
ドアカメラから送られたそれには、ブック型端末を持った真耶が映し出されていた。
「どうぞ」
許可を貰ってドアが開くと、真耶はいつもよりキビキビした動作で入室した。
「あの二機のISの解析結果がでましたよ」
「ああ。どうだった?」
「はい。あれは──両方とも無人機です」
未だ世界のどの国も開発できていない、ISの遠隔操作と独立起動。それをあの二機が易々と行っていたことは、IS学園の教師全員に緘口令が敷かれるほどの事だった。
そして、更に悪いことがある。
「ですが、あの動物型のISは、正確にはISではありませんでした・・・」
「・・・なんだと?」
真耶の口から飛び出したその事実は、下手をするとアリーナ内部に侵入してきた無人機よりも厄介な物だ。
考えても見て欲しい。ISがここまで優遇されているのは、現行兵器では傷一つ付ける事が出来ないという点があるからだ。
だが、あの動物型のIS───いや、擬似ISはそれを行った。
戦闘記録を見る限りは、相川清香が使用したラファールリヴァイブには傷一つ無いように見えた。
だがあったのだ。傷ではないが、シールドエナジーが確かに削られていたのだ。おそらく、ISが清香を守った際に受けた一撃。それで、エナジーの五分の一が削られていた。その量は一撃にしては大きすぎた。
「動物型にはISコアが使用されていません。出力は遥かに劣りますが、ISコアに類似した別の何か───擬似ISコアが使用されていたんです」
「・・・・・・」
「織斑先生、これって・・・・・・」
「山田君、わからない。これは、まだ私達には分からない問題だ」
「・・・・・・はい」
下手をすれば国際問題。いや、それどころかISに対し憎悪を抱いている人間の手に渡れば、ISの殲滅作戦などが行われかれない。
なにせ、作成方法が分かれば量産し、物量でISを押し切れるのだから。
その事実に気が付いた千冬はいち早く、この事についての結論を口に出すことを止めさせた。
真耶も元日本代表候補生にして、IS学園の教師だ。自身の発言の重みには気が付いている。
さらに世界のブリュンヒルデがこの事についてコメントをすれば、それが真実のように聞こえてしまうのは予想に容易い。
「無人機のコアはどうだった?」
「・・・あ、はい。登録されていないコアでした」
沈黙を破ったのは千冬。発せられたのは、無人機の方の話だ。
それに搭載されていたのは、間違いなくISのコア。ありえないとは思うが、登録されているコアならば何者がこれを送り込んできたのか、その手がかりになるかもしれない。
その返答は、千冬にやはりと思わせるものだった。
未登録のコア。それが意味するのは、コアを作れる者が無人機を製作したという事。
些か飛躍のし過ぎかとも思われかねないが、千冬はそれが正解だと思っていた。
「何か心当たりがあるんですか?」
「いや、ない。今はまだ──な」
だが、証拠は無い。それ故に千冬は口を濁した。
ここで明言しても、それを証明する手立ては無いのだから。
黙ってモニターを眺める千冬の視線は、現役の頃のように鋭くなっていった。
IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
第33話 事件が終わって・・・!
「清香っ!」
目が覚めると、私の手を握る拓夢君が居た。
まだ頭がぼーっとしている。視界もちょっとゆらゆらしてるし、ここが何処だか分からない。
「よかった、目が覚めた。・・・ここは保健室だぞ。それにしても、清香が倒れたって聞いて驚いた・・・」
倒れた?私、どうして倒れたんだっけ・・・。
確か、拓夢君と試合を見ていたらISが乱入してきて、観客席が壊れて先輩が怪我して、外に出て・・・・・・。
「ああっ!」
「ど、どうした!?」
急に大声を出して起き上がった私を気遣って、拓夢君が心配そうな顔をした。
「だ、大丈夫。そういう事じゃなくて・・・」
「そういう事?・・・えっと、どうしたんだ?」
立ち上がる──まではいかなかった私は、拓夢君が椅子に座ったのを見て話はじめた。
拓夢君がアリーナの中へ行った後の事を・・・。
「・・・・・・そうか」
「うん。・・・でも、大丈夫!ほら、この通り怪我も───ッ」
「・・・・・・ッ!」
怪我も問題ないよ。そう言おうとした所で、私の言葉は遮られてしまった。
だって、拓夢君が私を抱きしめたから。
驚いて言葉がでないって事を始めて経験しているのかもしれない。
拓夢君が私の頭を抱えるように抱きしめているせいで、私の顔が拓夢君の胸に当たっている。
どくん、どくんって心臓の音が聞こえてくる。その間隔は少し速いのかな。
きっと私も速くなってる。いつもよりずっと。
「・・・よく、頑張ったな」
「あ・・・・・・・」
衝撃。堪えきれないで、涙が出て拓夢君の服を濡らしてしまう。
“頑張ったな”その一言が、凄く嬉しかった。
謝られるんでもない、同情されるんでもない。私がした事を認めて、そして受け止めてくれた。
その一言が、どうしようもなく、私の心を揺さぶる。
「拓夢、くん・・・」
「清香・・・」
抱きしめるのを解いたけど、まだ近い。私が見上げるようにして、拓夢君との顔の距離が十数センチ。鼻がぶつかってしまいそうな距離・・・。
そうする事が当たり前のように、私は目を閉じた。そして、ちょっと上を向く。
彼の名前を呼ぶ。緊張で、口がすこし鈍い。でも、このドキドキは嫌じゃない。心地いい。
拓夢君も緊張しているのが、声を聞いて分かる。私の名前。呼ばれただけで、心臓が跳ねたみたい。・・・息が、かすかにかかる。
きっと、私達の距離は数センチもない。あとちょっと、距離を詰めるだけで・・・・。
バァンッ!!
「拓夢、清香大丈夫か!!」
「拓夢さん、清香さんお体は大丈夫ですの?」
「拓夢ー!清香!あんた達平気なの!?」
「拓夢、清香っ!無事か!?」
「「あ・・・・・・」」
突然、勢い良く開け放たれたドア。そして、なだれ込んできた一夏君たち。
それに驚いて目を開けると、拓夢君の顔が直ぐ近くにあって驚いて、顔が赤くなったまま一夏君たちのほうを見る。
「「・・・・・・」」
なんとも言えない気まずさ。そしてそれを破ったのは・・・・・・
「「ご、ごめんなさい!!」」
一夏君たちの一糸乱れぬ謝罪の言葉。
あと。あと少しだったのにー!!
拓夢君との事は、お預けのようだった・・・・・・。
後書き
はいはい!お久しぶりです!
受験勉強とかストレスたまってしょうがないです本当に。
なので、土日だけ更新をしようと思います。
いやー惜しかった!あと少しだったのに!ですが、ここで私の手は勝手に動きます。
拓夢、君だけにいい思いはさせない。そう誰かが囁いたのでしょうか?
一夏達が乱入して、お預けだとこの野郎───ッ。
ちなみに、拓夢自身も限界を超えた高速機動の余波でボロボロです。
だがしかし、隣に清香が寝ていると分かれば気合で乗り越えるのがこの男。
清香も腕の怪我は治療されていますが完治しているわけでは無いです。それが分かっていたから、拓夢は体ではなく頭を抱えるように抱きしめたんですね。
謎の無人機、そして擬似ISコア。深まる謎。訪れる転入生。イベント盛りだくさんの今後に乞うご期待!!
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