ハッピークローバー
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第九十五話 蚊に刺されないことその七
「寄生虫とか感染症がないと」
「それだけで有り難いわね」
「だから蚊にもね」
「刺されなかったらいいわね」
「些細な様で」
蚊に刺された、それはまさに些細なことを意味する言葉だ。
「実はね」
「大きいわね」
「アレクサンドロス大王だってね」
「一匹の蚊に刺されてだし」
「そう考えたらね」
それならというのだ。
「蚊もね」
「気を付けないといけなくて」
「それでね」
「蚊が少ないならね」
「それで幸せね」
「それだけでね。ただ蚊もいないと」
それはそれでというのだった。
「生態系に悪いのよね」
「どんな生きものもいなくなるとね」
タイの娘も言ってきた。
「よくないわよ」
「そうよね」
かな恵もそれはと応えた。
「そうなると」
「虎や豹がいなくなったら」
「タイでもいるわよね」
「森とかにね」
「そうよね」
「それで人を襲うこともあるけれど」
この被害が問題であることは言うまでもない。
「いないとね」
「あれよね、食物連鎖」
「そう、草食動物が増え過ぎて」
虎や豹が食べて数を調整しているがだ。
「ジャングルの木の葉や草とかを食べ過ぎて」
「ジャングルが荒れるのよね」
「そうなるし」
それにというのだ。
「田んぼや畑にも出て」
「荒らすわね、それ農業科でも言われてるみたいね」
「日本でもそうなってるのよね」
「ニホンオオカミがいなくなってね」
日本の山からだ。
「それでね」
「他の生きものが増え過ぎて」
「畑荒らしてるの」
「そうよね」
「それでかなりね」
「問題になってるわね」
「猟師さんもね」
その生きものを狩って数を調節すべき人達もというのだ。
「少ないのね」
「いや、日本はね」
クラスメイトが言ってきた。
「猟師さんはどうしても」
「ああ、あれよね」
タイの娘はすぐに応えた。
「銃持ちにくい国だからね、日本って」
「そう、銃刀法が厳しいから」
「そうなのよね」
「それで銃持って使える人がね」
「限られてるから」
「そのこともあってね」
それでというのだ。
「どうしてもね」
「日本だとね」
「猟師さん少なくて」
「しかも最近ね」
かな恵が言ってきた。
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