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イベリス

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第百十六話 交番に寄ってその四

「思うわ」
「そうですか」
「しかも店長さんもって」
 速水もというのだ。
「あの人結構美食家だから」
「まずいとか言われなくても」
「美味しいお店は美味しいって言うわね」
「そうですね」
「人やお店をけなさないけれど」
「まずいともですね」
「言わないけれど」
 それでもというのだ。
「あの人はね」
「美味しいものはですね」
「ちゃんと言われるから」
 そうした人だからだというのだ。
「その店長さんが美味しいそれも人に勧める位なら」
「行ってですか」
「いいわ、じゃあお店の場所と名前教えてくれる?」
「わかりました」
 咲は頷いて自分のスマートフォンを出してだ。
 その店の名前と住所を地図まで見せて話した、先輩は咲ノスマートフォンのそれを見て自分ノスマートフォンでも確認して言った。
「わかったわ」
「それじゃあですね」
「明日にでもね」
 それこそというのだ。
「行って来るわ」
「そうされるんですね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「飲んで来るわね」
「そうされますか」
「ウィンナーコーヒーね」
「あの生クリームを乗せた」
「私あのコーヒー好きなのよ」
「そうなんですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「喫茶店とかで飲む時はね」
「あのコーヒーですか」
「そうなのよ」
「そうですか」
「ウィンナーコーヒーいいわよ」
 先輩は笑ってこのコーヒーの話をさらにした。
「生クリームの甘さとコーヒーの苦さが合わさってて」
「美味しいんですね」
「しかも上品な感じもして」
 このこともあってというのだ。
「本当にね」
「いいんですね」
「こちらのコーヒーもね」
「私普通のコーヒーですが」
「レギュラーね」
「ウィンナーもいいんですね」
「そうよ」
 咲に微笑んで話した。
「こちらもね」
「じゃあ今度」
「飲んでみる?」
「そうしてみます」
 実際にというのだ。
「私も」
「そうするのね」
「はい、それで」 
 そのうえでというのだった。
「楽しませてもらいます、ただ」
「ただ?」
「いや、ウィンナーコーヒーを飲むとか」
 咲は何処か夢を見る様な顔になって話した。
「お洒落で大人ですね」
「そうした雰囲気がよ」
「実際にあるんですね」
「だからね」
 それでというのだ。
「本当にね」
「いいんですね」
「そうよ」
 実際にというのだ。 
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