絶対にニートじゃない
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第一章
絶対にニートじゃない
藤本栄光は大学を卒業してからいつも在学中に取った資格で在宅ワークをしながら家にいる、そんな彼に独立して結婚しているサラリーマンの兄の英雄はよくこう言っていた。
「お前ニートって言われないか?」
「外に買いものに行った時に言われてるかもね」
栄光は実家に帰って来た兄にこう答えた、二人共眼鏡をかけているが弟は穏やかな顔で兄はきりっとした顔だ。背は共に一七〇位で兄の方が引き締まった身体付きで髪型も兄は黒髪をセットしていて弟はただショートにしているだけだ。
「やっぱり」
「そうだよな」
「けれどわかる人はね」
弟はぽつりとした口調で述べた。
「わかるね」
「そうだな」
兄もそれはと返した。
「やっぱりな」
「だって金払いいいし」
それにと言うのだった。
「ATMからもね」
「お金引き出してるよな」
「定期的にね」
「それだとな」
兄は自分が煎れたティーパックの紅茶を飲みつつ言った。
「わかる人はな」
「わかるね、いつもお家にいてお昼にコンビニとか行っても」
「働いているとな」
それならとだ、兄は言った。
「お金もあってな」
「引き出してね」
「そこから使うからな」
「うん、まあ家事が母さんがしてくれてるけれど」
実家暮らしとして述べた。
「倒産もまた働いてるし」
「お前も働いてるってな」
「わかるね」
「もっと言えばあれだよ」
兄は冷静な目で言った。
「働いていると雰囲気が違うんだ」
「それがだね」
「お金を稼いでいるとな」
働いてというのだ。
「自然と身体からな」
「そうしているって出るんだ」
「お前もそうだよ、働いていないとな」
それならというのだ。
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