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仮面ライダー電王 約束の場所

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第三十一章

「そう、そこです」
「そこに向かって」
 それぞれ分担して説明する。
「そこに行ってだ」
「ショッカーを倒すのよ」
「!?その電話は」
 日下部が電話をかける天道達を見て目を丸くさせていた。そのうえで問うのであった。
「一体何なんだ」
「そうだ。何か凄い兵器みたいだが」
「あっ、これはまあ色々ありまして」
「新型のトランシーバーだ」
 天道がこう説明する。
「小型のな」
「小型のですか」
「少なくとも使い道はそうだ」
 事実であり事実でもない。微妙な説明だったがあえてそれに徹する天道だった。
「そのうちこれが世に広まる」
「そうなのか」
「それが」
「そうだ。だがそれは当分先だ」
 こうも言う。
「それでだ」
「あ、ああ」
「何だ?」
 いささか強引に話を変えてきた天道に対して応える。
「基地に案内してくれ」
「そうだな。それだな」
「では。行こう」
 こうして二人に案内されてショッカーの基地に向かう。やがて一同が集まり全員である離れ島にあるその基地に突入した。まずは変身せずに出て来た戦闘員達を攻撃していく。
「おらおらおらぁっ!」
 モモタロスが先頭に立って両手に巨大な棒を振り回していた。
「雑魚が何匹いても俺の相手にゃならねえんだよ!」
「そういうことや!」
 それに続くのはキンタロスだった。素手で戦闘員達を千切っては投げ千切っては投げで薙ぎ倒していく。
「親玉が出んと話にならんで!」
「やれやれ」
 ウラタロスは流れるような動きであった。それで敵の攻撃を受け流しつつ倒す。
「先輩もキンちゃんも頑張っちゃってさ。僕も引き摺られるじゃないか」
「頭が高い!」
 ジークは近寄って来る戦闘員達を次々と左右に散らしていく。
「余の前に立つことは姫以外が許さぬ」
「これ終わったら皆でパーティーだよね」
 リュウタロスはダンスに巻き込んでその中でパンチやキックを入れていく。
「じゃあ僕もやっちゃうよ。答えは聞いてない!」
「よし、いい感じだ」
 天道は彼等の戦いを見つつ満足そうに声をあげる。
「このままいけばあの男も」
「出て来るのか」
「そうだ」
 桜井に対して答える。言うまでもなく彼等も素手で戦っている。
「このままいけば。そろそろだ」
「そろそろ?」
「侑斗、来たぞ」
 デネブが彼に声をかける。
「改造人間だ」
「ショッカーのか!」
「イィーーーーーーーーーーッ!」
 新手の戦闘員達と共にショッカーの改造人間達が出て来た。見れば何十単位でいる。
「天道!」
「わかっている」
 天道は加賀美に対して答える。その怪人達を見据えながら。
「ここは俺達が引き受ける」
「よし!」
「変身だ」
 十人のライダー達の虫達がやって来た。そして横一直線に並んだ彼等の手に収まり。そして。
「変身!」
「ヘンシン」
 すぐにその身体をマスクに覆わせる。だがそこですぐに。彼等はキャストオフを仕掛けてきたのだった。
「キャストオフ」
「キャストオフ」
 その言葉と共にライダー状態になる。そして天道の手には。
 高く掲げたその右手に姿を現わしたのハイパーシステムであった。それが姿を現わしたのである。
 
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