仮面ライダー電王 約束の場所
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第二十九章
「速いわね、やっぱり」
「お婆ちゃんが言っていた」
天道は言う。
「犯人を前にしたら身柄の確保は迅速にとな」
「そうなんですか」
「そうだ。お婆ちゃんの言葉だ」
こう良太郎に語る。
「上手くいって何よりだ」
「そうですね」
「あの」
その二人のうち加賀美陸が天道に声をかけてきた。
「貴方達は一体」
「アンチショッカー同盟ですか?」
日下部はこう尋ねるのだった。
「ひょっとして」
「アンチショッカー同盟って何?」
コハナは今の言葉を聞いて良太郎に囁いた。
「ショッカーと関係がある組織みたいだけれど」
「ショッカーと対立している組織だよ」
良太郎はこうコハナに囁き返して答える。
「ショッカーに家族や大切な人を殺された人達で作られていたんだ」
「そういう組織があったのね」
「うん。どうやら僕達それだと思われてるみたいだね」
またコハナに述べる。
「だったら好都合じゃないの?」
「そうかしら」
コハナはハナの言葉に顔を向ける。
「だってどちらにしろショッカーを操っているスサノオとは対立しているし。大した違いはないわよ」
「そうね。それじゃあ」
「天道さん、ここは」
「わかっている」
天道はクールに三人に対して応えた。そのうえで自分の父達に対して応える。
「はい、そうです」
芝居をして二人に応えるのだった。
「我々はインターポールから来ました」
「そうですか、インターポールから」
「滝和也とは別行動です」
伝説の捜査官の名前まで出してみせた。あえて。
「それでこちらに来ました」
「そうだったのですか。ひょっとしてここでもショッカーが」
「はい、そうなんです」
良太郎が加賀美陸の問いに対して答えた。
「それで僕達は御二人を保護しようと」
「そうだったのですか。それで」
「有り難うございます、おかげで助かりました」
「それでですね」
ハナも二人に対して問う。
「はい」
「少し私達に協力してくれるでしょうか」
「協力ですか」
「ええ、実は首領を探していまして」
「首領を!?」
首領と聞いた二人の顔が瞬く間に一変した。目を大きく見開いて驚愕さえしている。
「首領がこの日本にいるのですか!?」
「まさか」
「正確に言うと首領の分身なんです」
良太郎はこう説明する。
「それが人の姿をして紛れ込んでいまして」
「怪人も多数一緒にいます」
天道は芝居を続けていた。冷静な顔で。
「ですから。貴方達に協力を御願いしたいのですが」
「そうですか。それでは」
「是非共」
日下部も加賀美陸もしっかりした顔になった。その顔で彼等の言葉に応えるのだった。
「こちらこそ宜しく御願いします」
「是非」
「はい」
良太郎は微笑んで二人の申し出を受けた。
「それじゃあ御願いしますね」
「さて、これからだ」
天道はその良太郎の横で右手の指を自分の口に当てて思索に入った。
「二人がどうしてあの名前を刻んだか。そしてカイをどうやって見つけるかだな」
「ですね。それはこれからです」
「あの男、いやスサノオの性格だが」
「性格ですか」
天道はそこまで踏み込んで考えていた。それを良太郎にも語る。
「楽しみを好む」
「そうですね。カイは特に」
「それを考えれば」
「こちらから仕掛けるか」
「仕掛ける?」
「そうだ。まずは」
考えながら述べていく。
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