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仮面ライダー電王 約束の場所

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第二十六章

「では皆さん、宜しいですね」
「はいっ」
 ナオミが答える。
「私も外に出ますよ」
「ナオミさん出られたことは・・・・・・ありましたね」
 良太郎もそのことを思い出した。
「そういえば」
「そうですよ。ほらミルクディッパーに」
 手伝いをしたことがある。二人が言っているのはそのことだった。
「そうでしたね。じゃあ」
「デネブちゃん達と行きま~~~~す」
「どうやら同じなのは外見だけか」
 天道は今のナオミの言葉を聞いて呟いた。
「やはり別人か」
「そういえばナオミさんってどうしてここに」
「さて、それでは皆さん」
 考えを遮るようにしてオーナーが言ってきた。
「三十六年前ですよ」
「良太郎、いいわね」
「あっ、はい」 
 ほぼ強制的に考えを中断させられて応える。
「わかりました。それじゃあ」
「行くわよ、良太郎」
 ハナが彼に声をかける。
「いいわね」
「はい。天道さんもですね」
「他の野上良太郎は集めないのか」
「それも集めながらですけれど」
 良太郎はそれにも答える。
「それはまあデンライナーで。僕達が出ている間に」
「そうか」
「時間的にはロスはないですし」
 時空を移動しているからだった。こういった時には実に便利だった。
「最初に僕達が出て」
「それから後にだな」
「はい、そういうことで」
「わかった」
 天道が頷き出発となった。モモタロスが憑依した良太郎と天道、それにハナとコハナという顔触れだった。その四人で三十六年前の街を歩くのだった。
「何だ、随分変わって見えるな」
 モモタロスは良太郎の目を通じて周囲を見て話していた。
「これが東京かよ。別の街みてえじゃねえか」
「当たり前でしょ。三十六年前よ」
 ハナがその彼に言う。彼女の格好もかなりレトロになっている。コハナと共にバギーのジーンズだ。
「違って当然じゃない」
「そういえばハナクソ女、おめえも」
 モモタロスはハナのその格好に気付いた。
「随分変わった服だな」
「それっていつもの服と比べてのこと?」
「あったりめえだろうが」
 答えはやはりこうだった。
「他に何て言うんだよ」
「それもそうね。それにしても」
「どうした?」
「カイと牙王よ」
 やはりそれだった。
「一体何処にいるやら。どう動くのやら」
「そんなに見つけたいんなら目立つ行動をするんだよ」
「どうしてそうなるのよ」
 むっとした顔でモモタロスを見据えて問う。
「あんた、また喧嘩がしたいとかそういうんじゃないの?」
「カミナリ族っていうのをちょっと小突き回してだな・・・・・・って何言わせやがる!」
「自分で言ったじゃない」
「そうよ」
 またコハナとハナに突っ込まれる。
「結局そのつもりだったのね」
「いい加減にしなさい、馬鹿モモ」
「ちぇっ、全然自由がないじゃねえかよ」
「だってモモタロス自由にしたら好き勝手するじゃない」
 良太郎も言う。自分の口で。
「だから駄目だよ」
「俺には俺のやり方があるんだよ」
それでいつも大騒ぎ起こしてるじゃない」
「だから駄目なのよ」
「ああ糞、ハナクソ女が二人なんて最悪の悪夢だぜ」
「悪夢か」
「当たり前だろ、よりによってこんなのがよ」
 また天道に言うモモタロスだった。
 
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