ドリトル先生の落語
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第四幕その二
「あの人は別で」
「巨人さえよかったら」
「他のチームがどれだけ弱くなっても最悪潰れても」
「いいよね」
「あの人の思う野球は巨人だけだよ」
先生は断言しました。
「それでいてね」
「ああしてだね」
「知ったかぶりばかりしてね」
「出て来る時私を野球に連れてってをかけるんだね」
「あれはあの名曲への冒涜だよ」
それに他ならないというのです。
「野球を愛していないむしろ害になる様なことしかしないし言わない様な人があの曲を演奏させるなんて」
「そんなことはだね」
「全く以てね」
まさにというのです。
「冒涜だよ」
「あの名曲への」
「そして野球へのね」
「そんな人だね」
「そしてそんな人がね」
「出ていたけれど」
「けれどね」
それでもというのです。
「もう出ていないしね」
「いいよね」
「そうだよ、もう二度とね」
「あの番組に出るべきじゃないね」
「あの人は落語家というかお笑いに向いてないから」
「そうだね、昔巨人が強くて」
今ではずっと最下位で弱くて仕方ないチームにもそんな時代があったのです、遥かな昔のことですが。
「権力があった頃は」
「球界の盟主を自称してね」
「もうやりたい放題で」
「そんな時は巨人という権力を笠に着てだよ」
そのうえでというのです。
「自分と違う意見の他のチームの選手の人をね」
「馬鹿にしていたんだね」
「実際に討論番組で共演して」
「議論をした時にだね」
「思い切りね」
その醜い心を全開にしてというのです。
「馬鹿にして」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「貶めて嘲笑していたから」
「そうしたことをしたから」
「お笑いをやるなら」
それならというのです。
「こんなことはね」
「絶対にしたら駄目だね」
「何があってもね」
「先生の言う通りだよ」
王子もその通りだと頷いて応えました。
「あの人はお笑いに向いてないね」
「僕は権力がどうとか言うことはね」
「殆どないね」
「よく日本では権力は国家、政府だと言うね」
「そう主張する人いるよね」
「けれどね」
それがというのです。
「権力って色々とね」
「あるよね」
「そうだよ、一口に言っても」
それでもというのです。
「実はね」
「色々あるよね」
「学校の先生も権力出しマスコミだってね」
「権力だね」
「その場その場でね」
「権力ってあるよね」
「だから一口に言えないよ、けれどどんな権力でも」
権力は色々あるというのです。
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