仮面ライダー電王 約束の場所
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第十六章
「そもそも御前が途中でどっかに消えるから悪いんだろ。何処に行ってたんだよ」
「キャンディーを買いに行っていた」
「また飴か」
「そうだ。はい皆さん」
早速加賀美達にそのキャンディーを取り出して配るのだった。
「お近付きの印にデネブキャンディーを」
「それはいいがあんた何者だ?」
影山がほっかむりをしているそのデネブに対して問う。
「見たところまともな人間じゃなさそうだが」
「んっ!?俺は見たところただの人間だが」
「違うだろ、それは」
風間も突っ込みを入れる。
「あんた、少なくとも人間じゃないな」
「イマジンか」
矢車はそう察しをつけてきた。
「ワームでも鏡からのモンスターでもないところを見ると」
「な、何故それがわかった」
「馬鹿、御前から言ってどうするんだ」
桜井が思わず突っ込みを入れる。
「御前が自分で言ったらどうしようもないだろ」
「そ、そうだった」
「何故イマジンがこんなところにいるんだ?」
「見たところ悪い奴じゃなさそうだが」
「あからさまに胡散臭いな」
黒崎に大和、織田は極めて懐疑的な目をデネブに向けている。
「密偵か。いや、違うか」
神代はその可能性をすぐに自分で否定した。
「そこの男に憑いているだけか」
「俺は侑斗の親友というか保護者で」
「だから何時保護者になったんだよ、違うだろ」
「違うのか?」
「大体いつも変な格好で街を歩きやがって。目立つから来るなって言っただろ」
「しかし侑人があんまり心配で」
来たというのだ。
「こうして変装してだな」
「ぬいぐるみにほっかむりは変装じゃねえんだよ。かえって目立つだろうが」
「じゃあいっそのこと侑人について」
「それやったらただじゃおかねえぞ!」
「侑斗ぉ~~~~」
二人で完全に漫才になっていた。そんな彼等をよそにハナが加賀美達に話す。
「私達もイマジンと戦ってきたんです」
「イマジンとか」
「はい、良太郎とそっちの彼が仮面ライダーになって」
「仮面ライダーに!?」
それを聞いた加賀美達の顔色が一斉に変わった。
「ここにも仮面ライダーが」
「まさかとは思ったが」
「一応僕が電王です」
「俺がゼロノスだ」
良太郎は一礼して、桜井はデネブにスリーパーホールドをかけながら話す。これが良太郎達と天道達の正式な挨拶になるのだった。
まずは天道が加賀美達を入れたうえで良太郎達にこれまでのことを話すのだった。
「そうだったんですか。色々あったんですね」
「カイ、そちらのスサノオの分身だな」
「ええ、そうです」
良太郎が天道の言葉に答える。とりあえず愛理は重要な話だからと席を外し良太郎達だけで話をしている。コーヒーは良太郎が淹れている。
「これまで数多くの戦いを挑んできた」
「そのグロンギにオルフェノクにバトルファイトもですか」
「そうだ。そしてワームとネイティブもな」
このことも良太郎達に話すのだった。
「全てがスサノオの手によるものだった」
「はあ」
「そういう事情があったんですね」
コハナはそれを聞いてこくこく、と頷いていた。
「良太郎達の他にも色々な仮面ライダー達が」
「人知れず戦っていたなんて」
ハナも言う。
「そんなことが」
「三十五年以上前からだ」
天道はこのことも語った。
「かつてショッカーという組織があり本郷猛と一文字隼人の戦いもあった」
「その二人が最初の仮面ライダーだったんですね」
「その通りだ。流石に察しがいいな」
カウンターでコーヒーを淹れ続けている良太郎に対して述べる。天道やハナ達はめいめいカウンターや他の席に座ってコーヒーを飲みながら話を聞いているのだ。良太郎がコーヒーを淹れハナとコハナが時々立ち上がってウェイトレスの役割をしている。
「それから長きに渡ってライダー、つまり人間達とショッカーの戦いは続いている」
「オルフェノクになってもジョーカーであっても」
「そしてアギトになってもな。同じだったのだ」
「ライダーとしての戦いがそれだけ長く続いていたのか」
「そして今もな。イマジンとの戦いもだ」
今の戦いについて言及された。
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