ハッピークローバー
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第九十三話 最悪の日その七
「性格があんまりにも酷くて」
「偉そうなだけで何もしなくて」
「助けもしないし感謝もしないしで」
「奥さんが困っても何かしても」
「そんな風でね」
そうした性格でというのだ。
「遂にね」
「見捨てられて」
「逃げられたのよ、それでこの人も」
富美子はさらに話した。
「ニートだったけれど」
「そんな風じゃなかったわね」
「毎日何もしないで動かないとか」
「そうした廃人みたいな生活は」
「してなかったし」
「ニートと言ってもね」
「色々よ」
こう言うのだった。
「やっぱりね」
「そういうことね」
「まあね、何かしていないと」
留奈も言って来た。
「退屈で仕方ないわよね」
「そうよね」
「私達ってね」
「遊ぶか学校にいるかアルバイトしてるか」
「こうしてカラオケ行くかね」
「ゲームしたりお喋りしたり」
そうしたというのだ。
「何かしていないとね」
「退屈でね」
「仕方ないでしょ」
「ええ」
留奈はその通りだと答えた。
「本当に」
「それだと学校もね」
「ないとね」
「それはそれで困るわね」
「毎日が日曜日なんて」
そうした生活はというのだ。
「怖いわよ」
「かえって」
「ずっと休日とかね」
「あれね、生活にメリハリがないと」
「よくないのよ」
「だから学校も必要ね」
「若しもよ」
ここで留奈は深刻な顔になって言った。
「あの小学生ユーチューバーで今中学生の」
「あの子ね」
「中学校行かないとか言ってね」
これを堂々と言ったのだ。
「実際に行ってないけれど」
「あれ駄目でしょ」
富美子はジト目で応えた。
「どう考えても」
「そうよね」
「義務教育以前ね」
「革命とか言ってるけれど」
「許す親御さんもどうなのよ」
こうも言うのだった。
「そもそもね」
「そうよね」
「あれ絶対碌なことにならないわよ」
「だからね」
「学校に行くことも必要ね」
「行きたくない時があっても」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「行った方がいいわね」
「いや、あのユーチューバーの子駄目でしょ」
理虹も言ってきた。
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