イベリス

「酷いお話ですがまずです」
「相手の人それにお友達をですね」
「しっかりと見極めて」
「告白すべきでしたね」
「その両方を」
「そうだったんですね」
「支えてくれる本当のお友達と本当の恋人さんに巡り会えましたが」
　そして救われたがというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「そうなったことを考えますと」
「よく見極めるべきでしたね」
「一時の熱に浮かれるなぞして」
　そうしてというのだ。
「告白をしますと」
「自分が痛い目を見ますね」
「そうなりますので」
　だからだというのだ。
「くれぐれもです」
「まずはですね」
「見極めることです」
　こう言うのだった。
「まことに」
「見極める、よく見て調べる」
「相手のことを」
「それが大事なんですね」
「好きになったといって」　
　そうしてというのだ。
「即座に動いてもです」
「本校の人みたいになりますね」
「まだこの人は幸せです」
　速水は真顔でこうも言った。
「本当のお友達が常に傍にいてくれてやがて恋人もです」
「来てくれたからですね」
「救われました、ですが」
　それでもというのだ。
「この人は幸運で不運な人はです」
「そうしたお友達や恋人さんがいないで」
「そのまま周りから言われ続け」
「ダメージ受けていくんですね」
「最悪人格が歪み」
　そうなってというのだ。
「憎しみに心が支配されます」
「憎いってあまり思うと」
　どうなるか、咲はこれまで触れてきた創作の世界で見て来たことから速水に対して話した。
「復讐鬼になりますか」
「はい、まさに」
　速水の返事はその通りというものだった。
「そうなります」
「やっぱりそうですか」
「こうなりますと」
　復讐鬼にというのだ。
「もう非常にです」
「辛いですか」
「何をしても例え復讐を果たしても」
　そうなってもというのだ。
「心は憎しみを忘れないので」
「だからですね」
「復讐鬼はです」
　まさにというのだ。