ドリトル先生の落語
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第三幕その九
「立派だと思うだけでね」
「自分は磨いていないので」
「大した人じゃないんだ」
「むしろ中身がないですね」
「そして言われた人も嫌になって」
そしてというのです。
「見る人もね」
「何だと思って」
「嫌われるよ」
「そうなるんですね」
「偉そうには言わないことで」
それでというのです。
「批評もね」
「しないことですね」
「最初からね」
「それがいいですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「最初からですね」
「そうすることだよ、見られるのは批評される人だけじゃなくて」
「批評する人もですね」
「見られるんだよ」
「世の中はそうですね」
「だからタブロイド紙は今批判されているんだ」
先生は葱を食べてから言いました。
「悪意ばかりでまともな取材もしていないから」
「そうそう、日本のタブロイド紙ってね」
「新聞も雑誌も酷いよね」
「どう見てもまともな取材とかしてなくて」
「悪意だけで記事書いて」
「北朝鮮のプロパガンダみたいになってるね」
「どれもね」
「そんなものは読めばわかるから」
先生は動物の皆にも言いました、一緒に食べている彼等に。
「批判されるんだよ」
「そうだよね」
「こんなもの読んでも駄目だって」
「面白く思うどころか不愉快に思って」
「批判されるんだね」
「タブロイドは元々品性とかは考慮していないよ」
そうしたマスメディアだというのです。
「面白おかしく書くよ、けれどね」
「笑わせるにしてもだね」
「良質なものと悪質なものがある」
「それでよね」
「そうしたマスメディアは悪質で」
「読んでも面白くないんだね」
「それどころか不愉快に思えるから」
それ故にというのです。
「読まないんだよ、皆ね」
「そういうことだね」
「読んで面白いかどうか」
「そのことは大事よね」
「何と言ってもね」
「そうだよ、観るにしても同じで」
このことはというのです。
「良質な、笑わせようとして」
「そして誰も貶めない」
「知ったかぶりしない」
「そんなお笑いが大事だね」
「そもそも酢豆腐の落語はそうしたものを戒めているね」
先生は皆に言いました。
「そうだね」
「あっ、そうだね」
「言われてみれば」
「偉そうに知ったかぶりする人をネタにして」
「それで笑いにして」
「戒めにもしているわ」
「だからね」
それ故にというのです。
「落語でそうしたことはね」
「しないことだね」
「間違っても」
「落語家さんが知ったかぶりしたら駄目だね」
「本末転倒だね」
「そうだよ、まさにね」
先生はまた言いました。
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