星河の覇皇
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第八十四部第五章 宣言に向けてその十八
「それが政治だな」
「その際に見返りを要求する」
「決して手ぶらでは帰らない」
「それが政治ですね」
「特に連合ではそうですね」
「倒れるところで土を掴めだ」
日本から連合全体に伝わった言葉である、元々は平安時代の国司が使った言葉であると言われている。
「手に入れられるならな」
「何としてもですね」
「手に入れるものですね」
「そして手に入れられる気配が薄くても」
「それでもですね」
「手に入れるものがだ」
まさにというのだ。
「連合の政治だ、だからな」
「それ故にですね」
「中央政府もですね」
「ただ渡すのではなく」
「貰うものは貰う」
「そうしてきますね」
「我が合衆国も同じ考えだ」
アメリカもというのだ。
「手ぶらで帰るか」
「まさか、です」
「その筈がありません」
「だからですね」
「それで、ですね」
「そうだ、普通にだ」
それこそというのだ。
「中央政府もそうしてくる」
「左様ですね」
「そうしてくることは間違いないですね」
「それならですね」
「我々はその中央政府にどう対するか」
「それが問題ですね」
「まず私はだ」
マックリーフは冷徹な目のままさらに言った。
「中央政府に渡すものはないとだ」
「その様にお考えですね」
「まさに」
「そしてそのうえで、ですね」
「利益を得られますね」
「そのつもりだ、切るカードはだ」
それはというと。
「こちらは幾分少なくな」
「そして、ですね」
「こちらは出来るだけ多くですね」
「そうしていきますね」
「我々としては」
「そういうことだ、出来るだけ中央政府にはな」
対する彼等にはというのだ。
「見返りを出さずにな」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「国軍の拡大とですね」
「中央政府軍の有事の際の指揮権を確かにする」
「そして開発、開拓もですね」
「我々の権限を強める、これでだ」
この三つをというのだ。
「中央政府に認める、だが」
「それでもですね」
「中央政府への見返りはですね」
「それは、ですね」
「もう中央政府は充分なものを受取っている」
彼等は既にというのだ。
「ならだ」
「最早彼等に渡すものはない」
「中央政府軍は創立させられ」
「国境警備も第一に行う様になりました」
「それならですね」
「我々はですね」
「そうすることはない」
見返りを渡すことはというのだ。
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