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ドリトル先生の落語

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第三幕その二

「先はないけれどね」
「今日の寄席は違ったわ」
「確かな面白さがあったよ」
「芯のあるね」
「そうしたお笑いだったよ」
「だからよかったんだ、芯のあるお笑いはね」
 それはといいますと。
「何と言ってもね」
「笑わせる」
「そう思うことだね」
「そしてやっていくものだね」
「有名になるとかお金持ちになる」
「それは二の次だね」
 先生は言い切りました。
「本来は」
「本当に面白いと後からついてくる」
「そんなものだよね」
「だからそれが目的だとね」
「お笑いも身に入らないね」
「そうだよ、笑わせようと思わないと」
 さもないと、というのです。
「本当にね」
「駄目だね」
「何といっても」
「まずはそこからで」
「有名になりたいとかお金持ちになりたいとか」
「あと芸能界で偉くなりたいとか」
「そういうのが目的だとね」
 それならというのです。
「例え求めるものを手にしても」
「中見ないよね」
「本職のお笑いもどうせ面白くないだろうし」
「身が入ってないから」
「それじゃあね」
「お駄目だよ、しかしね」
 それでもというのでした。
「今日の寄席は違ったからね」
「面白かったね」
「楽しめたわ」
「観ていてよかったよ」
「本当にね」
「満足出来たよ」
「僕もだよ、それでよかったことは」
 さらに言う先生でした。
「日本人以外の人も落語をやっていたね」
「半分位そうだったね」
「この学園保育所から学生さんも職員さんも半分位そうだけれどね」
「先生もね」
「それで落語やってる人達もだったね」
「半分位他の国の人だったね」
「落語という日本文化を学んで」
 そしてというのです。
「笑わせようと努力していることはね」
「素晴らしいことだね」
「全く以て」
「いや、よかったよ」
「日本文化を学んで」
「そのうえで実践することもね」
「そうだね、しかし日本語以外で落語をしても」 
 こうも思った先生でした。
「いいかもね」
「そうだね」
「日本文化だけれどね」
「日本語以外でやってもね」
「面白いかもね」
「そうも思ったよ」
 今丁度というのです。
「少しね」
「そうだね」
「英語とかフランス語とか」
「中国語でもね」
「スペイン語もいいかも」
「色々な言語でね」
 まさにと言う先生でした。
「シェークスピアだって色々な言語で読まれ上演されているからね」
「イギリス人が着物着て正座してね」
 笑って言うトートーでした。 
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