星河の覇皇

「だがそれは長く続かなかった」
「はい、世界恐慌もありましたが」
「それでもでしたね」
「極盛期を迎えたかと思えば」
「その直後にでしたね」
「共和党は失墜した」
　まさにその時にというのだ。
「民主党の大統領が誕生した」
「フランクリン＝ルーズベルトですね」
「あの大統領が誕生し」
「そして議会もでしたね」
「民主党のものになりましてね」
「民主党は引き摺られたかに見えた」　
　ここでも綱引きに例えた。
「だが、だ」
「その時にでしたね」
「状況は変わった」
「そうなりましたね」
「世界恐慌はあったがもう共和党は勢力拡大の限界にあった」
　その時点で既にというのだ。
「おそらくだがそこから先はな」
「議席を減らしてですね」
「大統領選挙も危うかった」
「世界恐慌がなくとも」
「腐敗も見られていた」
　共和党の中にというのだ。
「汚職もあったしな」
「それで、ですね」
「徐々に支持を失い」
「あの時点からですね」
「勢力を減退させていただろう」
　そうなっていただろうというのだ。
「フーバー政権からな、あの時の共和党は下院の議席は圧倒的だった」
「五分の四はあったかも知れないですね」
「三分の二は優に占めていました」
「そこまで至ったことも民主政治ではそうはないですが」
「それさえ越えていましたが」
「民主主義は意見を汲み取る政治だ」
　これをお題目に過ぎないと言う者もいるがそれがある程度その通りでもやはり有権者の意見を汲み取りものであることも事実でありそれで李も今言うのだ。
「やはり民主党の支持者もいてだ」
「反対意見はあり」
「それで、ですね」
「民主党の議席はそれでもあることはあり」
「あの時点で転換点に至っていた」
「左様ですね」
「だからだ」
　やがてはというのだ。
「共和党は勢力を弱めていた」
「民主主義においてはですね」
「一つの政党が長い間大きな勢力は早々持てないですね」
「三分の二になると」
「それこそですね」
「それは難しい、三分の二に達すると」
　政権を担う政党の議席がというのだ。
「連合中央政府でも各国政府でも改憲も出来る様になるが」
「それでもですね」
「そこに達することも難しく」
「例え達してもですね」
「長い間その議席を維持することは難しいですね」
「それが政党の力学でだ」
　今話しているそれでというのだ。
「与党になろうともな」
「三分の二に達することも難しく」
「それを維持することも難しい」
「そうしたものですね」
「そうだ、そして政策に失態があれば」　
　その時点でというのだ。