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神々の塔

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第三十三話 アウトローの者達その四

「嫌な死に方で終わるな」
「そんな世界やな」
「ああ、ただな」
 ここでリーはこうも言った。
「そうしたヤクザ屋さんがいるとな」
「それならか」
「健全な社会や」
「ああ、それわかるわ」
 芥川はリーの言葉に頷いて言った。
「戦乱の世の中やとな」
「ヤクザ屋さんもおらんな」
「ヤクザ屋さんになる連中が海賊や山賊になってな」
「もっと悪いことするな」
「治安が悪うなったら悪モンが好き放題やらかす」
「それでヤクザ屋さんよりも暴力で訴える」
「海賊や山賊になるわ」 
 このことはこの世界に来てわかったことだ、彼等もそうした状況の社会をその目で見て来たからである。
「そうなるわ」
「そやな」
「それで治安がよおなってもな」
 芥川は今度は起きた世界の話をした。
「街にヤクザ屋さんが全くおらん社会は」
「独裁国家やな」
「独裁国家は権力は一つしか認めん」
「自分達だけや」 
 即ち独裁を行っている独裁者である。
「それでムッソリーニもマフィアをやっつけた」
「あの国で唯一マフィアをそう出来た政治家やったな」
「それをしたのは彼の功績やが」 
 それでもとだ、リーは話した。
「独裁者であることはな」
「事実やな」
「それでナチスもソ連もな」
「ヤクザ屋さんなんて許さんかったな」
「ああした人達がおられん社会や」
「そやな」
「そうした社会はな」
 独裁国家はというのだ。
「言うまでもないな」
「ああ、ヤクザ屋さんがおる社会よりもやばい」
「そして悪モンの社会を取り仕切る人等もな」
「必要やな」
「半グレなんか増えたら」
 無秩序にあらゆる悪事を行う彼等がというのだ。
「もっとあかんやろ」
「ヤクザ屋さんが多いよりもな」
「半グレを躾けて悪の社会なりのルールを教えるのもヤクザ屋さんやが」 
 そして新たなやくざ者にしていくのだ。
「けどな」
「そのヤクザ屋さんがおらんとな」
「それはそれでな」
「裏社会の秩序が成り立たん」
「それで表社会にも迷惑をかけだす」
「そやからやな」
「必要悪ではあるんや」
 ヤクザと言われる者達そして彼等の組はというのだ。
「世の中ある程度の悪や汚れもや」
「必要やな」
「そういうことや」
「政でもやな」
「ある程度のな」
「そうした連中はおらんとあかんな」
「そうしたもんやと考えてや」
 そうしてというのだ。
「やってくことや」
「こっちの世界の政もやね」
 綾乃も言ってきた。
「そやね」
「その通りやな」
 芥川が応えた。 
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